心の羅針盤
年齢やキャリアを重ねると、逆に固定観念やプライドにとらわれて行動力が鈍ったりすることもありますが。どうしたらAKさんのように行動力を伸ばし続けられるのでしょう?
固定観念やプライドというところでいうと、それは私の中には無いですね。年やキャリアを重ねると確かに当然経験値は上がる。でも経験値が上がれば上がるほど、知らなかったこと、素晴らしいことが周りにはあることを知り、自分はまだまだと気づかされる。だから私は、年を重ねるごとにベターパーソンになりたいと思うし、逆にどんどん謙虚にならなければと思っています。
より良い人間になるために、日々の中で大切にしているプリンシプル=習慣にしていることはありますか?
誠実であること。人に対して、自分に対して、毎日に対して誠実に生きることを繰り返していくように。出逢うもの全てを好きになること。出逢った人や物事の“ベターハーフ”、より良く輝く部分に視点を注ぐように。人と比べないこと。誰かと比べるという固定観念を手放し、自分の人生や今持っているものを受け入れ感謝するように。
「誰かと比べるという固定観念を手放す」。これは高みに行ける一つの鍵に思えます。
そう。正しい、間違っているという判断が、全て自分の目線で決めていたことと気づけるかどうかはとても大切。これは私の中でひとつのエピソードなのですが。20代の頃から1年に一度、必ずひとり旅を続けてきたんですね。地図を持って自分で運転して、ガイドブックにない場所も訪れて。ある時、世界で最も貧しいといわれる、マザーテレサが住んでいらしたインドのカルカッタに旅をし、忘れられない光景に出逢いました。極寒の山間の地で、ボロボロの服を着た裸足の子供たちが楽しそうに走り回って遊んでいる。山間から流れる僅かな水を生活の頼みにするような過酷な状況なのに、その子たちといったら、この瞬間が最高!と思っているような心からの笑顔で。要は、周りと自分を比べてないんですよね。もう太刀打ちできない。一方的な視点からは不幸に見える現実でも、当事者たちはそんな風には感じていないかもしれない。幸せに感じられるか否かは、その人の心次第なんですよね。例え人生の天気が晴れでも雪でも、雨でも嵐でも、自分の心の中に太陽があれば、どんな過酷な状況でも乗り越えられる。人は、その人の人格の中から光を探して焦点を当てる力を持っているんだということを、子供たちから教えてもらいました。
人格の中にある「光」という言葉にハっとさせられます。AKさんが大切にされている言葉は?
愛。感動。誠実。感謝。そして光、です。