HIGHFLYERS/#51 Vol.4 | Feb 17, 2022

みんなが食を楽しみながら健康で、幸せになれるような″何か″を作り上げたい。それが僕の食と美容においての総決算

Text & Photo: Atsuko Tanaka

美容商社経営者、美食家まろさんのインタビュー最終回は、習慣にしていることや影響を受けた音楽、理想の男性像などパーソナルなことを主にお伺いしました。また、HIGHFLYERSのメインテーマである成功やチャンス、今後の夢などについてもお話しいただいています。
PROFILE

美容商社経営者・美食家 寺田昌之(まろ)

福岡県出身。飲食店を経営したのち上京、美容業界の道へ。男性エスティシャンの先駆けとなり多数の著名人を担当するなど、美容番組でも活躍。化粧品開発などに携わり成功を収める。食の世界でも年間2500軒を食べ歩き、食べログレビュー1位を取得し、美食家として一目置かれる存在に。ボディメイクトレーナーとしても活躍し、痩身研究の為に、自分の体を実験台に爆食しながらトレーニングを重ねている。また、タイでハーブ農園と工場を運営、世界最大の医学会A4M(米国アンチエイジング医学会」編集長、TCC(東京コスメティックコレクション)統括プロデューサーも務めた。 https://www.instagram.com/maro.j.maro/

人生はずっとチャンス。チャンスは意外と無意味と思われるようなところにあるから、意味のないことも徹底して楽しみたい

普段から心がけている習慣があれば3つ教えてください。

体型維持の為における習慣ですと、毎日やっている習慣だけでも30個以上あるんですが、まず胃の中が空っぽ(空腹)になってからしか就寝しないです。1日ですごい量を食べていますが、飲酒後や深夜の炭水化物は厳禁です。あと、トレーニング前は、必ず風呂(サウナ)で体を温めてから、食べた内容によって有酸素運動と無酸素運動を使い分けます。代謝や自律神経においても、体温の管理はとても重要なので気をつけています。あと食事前は、吸収を阻害させる食物繊維の多い野菜やサプリメントや、整腸作用のあるやせ菌を優位にさせるものを上手に組み合わせる。基本に忠実というか、やらないといけないことより、やってはいけないことを守る方が大切なんですよね。あまり面白い答えではないかもしれませんが、意外と当たり前のことの積み重ねなんです。

ご自身のスタイルを一言で言うと?

「道は自分で切り開く」ですかね。成功したとされる方のセミナーなどに誘われることがありますが、人のやり方を参考にはしたくないです。例えるなら、好きなゲームをクリアする為に、攻略本を読みながらクリアして何が楽しいのか?と。その道のりを自分なりに戦い冒険していくことが人生の醍醐味なのに、成功とされる方法を人に教えてもらっては人生を損している気がします。結果を求めることも重要なのは間違いないですが、自分ならではの方法を編み出し乗り越えることこそ楽しみの源だと思います。

最近ハマっていることは?

これまでのインタビューでわかる通りですが、やはり食の世界ですかね(笑)。僕は基本的に全ジャンルの料理を食べるんですよ。一部の方にはS級料理、他の一部の方にはラーメンしか食べてないと思われているみたいですけど、25種類ある食べログのジャンルのうちの12種で1位を獲得しています。他にハマっているもの…彼女とか言ってみたいですけど(笑)。

左上から時計回りに:山根屋 2kg級 越前蟹 / 焼肉しみず スペシャルコース / 下商会館 天然ふぐ特上コース てっちり / été マンゴータルト、ストロベリータルト、栗のタルト

影響を受けた音楽、映画、本などありますか?

16歳の頃にバンドをやっていた時期があって、中でもKATZE(カッツェ)というバンドが大好きで、そのコピーバンドをやっていました。時を経て、40歳になってKATZEのリーダーでボーカルの方にお会いする機会があり、仲良くなって一緒にお酒を飲めた時は、これまで頑張ってきて本当に良かったなと思いましたね。映画は「ロッキー」が好きで、10代の頃はすごい影響を受けました。今でもトレーニング中はロッキーの曲をかけてます。今観ても面白いと思うし、観出すと寝られなくなってしまいます。本に関しては、思春期の頃からヤンキー漫画しか読んでなかったので…(笑)。

バンドをやっていた頃

今、世界で起きていることで興味あることは?

PCR検査協会の理事長を務めさせて頂いてることもありますし、今後のコロナの影響ですね。地球上において欲を尽くした人類全体への罰でもあるのでしょうか。どう向き合うかではなく、どう付き合っていくかを考えないといけないように思います。美容・医療の研究も興味深いですね。進歩の加速によって、若返りや延命が可能になったとしても、人間らしく「自然に歳を重ねる」「寿命を全うする」を基準に、自然の摂理だけは壊してはいけないものではないかと思います。同じ時間軸を生きるからこそ、時間の大切さもわかるでしょうし、素敵な歳の重ね方にこだわる人類であって欲しいですね。

理想の男性像は?

うちの父です。家族のために人生を全うして、あれだけの愛情を注いで僕たち兄弟を育て上げてくれて本当にありがたいです。芸能人だと、小さな頃から大好きだったダウンタウンの松本人志さん、あと現在もお付き合いさせて頂いている山田宏巳シェフもそうですね。いくつになってもどこかやんちゃで、好奇心が旺盛で、みんなから愛されて、すごい理想です。

左:父と / 右:山田宏巳シェフと、日光の天然氷の初切り出しを一緒に行った時の様子

では、まろさんにとってチャンスとはなんですか?

人生はずっとチャンスじゃないんですかね。ピンチだって見方を変えれば成長するチャンスになるし、意外とチャンスは無駄なところにあるんじゃないかなという気はしています。かく言う僕も、20代の頃は超効率人間でしたが、今はそう思うんです。未来は今の積み重ねと言いますけど、だからと言って経営者として効率の良いものしかやらないのではなく、意味のないことも楽しみたいと思ってます。無意味と言われることも意味を持たせられるかどうかは自分次第です。

これまでの人生を振り返って、あの時が一番のチャンスだと思う出来事は?

いっぱいありますね。先ほどと同じで、これまでの人生、ずっとチャンスだったんじゃないかなと思います。何かを逃したとも思ってないし、寄り道するのもチャンスだったりしますから。目標に向かって走っていた時、その走るスピードだったり、向かう方向を変えていたら違う結果になっていたのかなとか思うことはありますけど、やらなければわからなかったことなので、どの経験も大切だと思っています。ここぞチャンスだと、飛行機で目的地に着くより、歩かなければ見えなかった残酷な世界、美しい世界もたくさんあったと思えます。それが今の私の糧となっていますね。

では、まろさんにとって成功とはなんですか?

今の時点ではまだわからない。一生を終える頃にわかるんじゃないですかね。例えばダイエットも同じで、一時的に痩せることが成功ではなくて、そのスタイルと健康を保ちつつ、死ぬまでリバウンドせずに楽しい生活ができているかだと思うんです。そして、人間らしさを保てることも重要ですね。人って頑張り続けると、どんどん強くなるというかスレていくというか、喜怒哀楽が薄れていくように思うのですが、人間らしく生きるには喜怒哀楽を表現でき、また人の喜怒哀楽を受け止められる方が素敵だと思います。それを踏まえて考えると、死ぬ前まで喜怒哀楽の表現を続けられた人間は、もしかしたら本当の成功者なんじゃないかなと思いますね。決してビジネスがうまくいっているから、お金をたくさん稼いだから、ということではないと思っています。

まろさんが思う最も成功している人は?

無償の愛情と幸せを与えられる、よく笑っている人ですね。特にこれといった人はいないです。僕の成功の概念が他の人とちょっと違うので、全員成功者になり得ると思うし、みんなが一生を終える頃に悔いなく成功者と思える人であってほしいと思います。

成功している人としていない人の違いがあるとしたら?

まず今という一瞬を大切に、真剣に生きているかどうかでしょう。ベクトルが合うかどうかは、その後の話です。成功していない人は、戦わなかった、動かなかった、機会があるのに諦めた人、でしょうね。でも、諦めた中には色々な理由もあったりして、その理由の一つが家族ということもあるかもしれないので、そういう意味では、家族を作れていない僕は成功していないのかもしれないですけど。経営者になり一旗あげるという夢を諦め、幸せな家庭を作り、我が子を育て上げられた方も、十分すぎる成功者です。

まろさんがやっていることで世界を変えられるとしたら、それはどんなことだと思いますか?

美味しいグルメ情報を含め、食べることの幸せと、それでいて健康でいられることを世の中の人たちに教えていることですかね。太りたくないという理由で食べないのは楽しくないし、だからといってすごい食べて太ってしまって不健康になるのはもっと悲しいことだと思うので、それを両立できることの楽しさを、より多くの人に知ってもらい、健康になってもらえたらいいなと思います。

まだ叶っていない夢があったら教えてください。

もう46歳ではありますが、自分の家族・子供に恵まれるといいですね。あとは、世界の食べ物をもっと食べ周りたい。日本全県には行きましけど、まだ全世界は行ってないので。あと美容では、世界に認知してもらえるような大きな何かを生み出して、それが文化として広まっていったらいいなと思います。

まろさんのような生き方を目指す若者にアドバイスをするとしたら?

まずは興味のあることをやってみる、始めることですね。食じゃなくても何でもいいので、見つけたら、とにかくそれを続けていく。そうして続けていった先に、それをやっている意味が合わせるように出てくるので、何か好きなことをとことん続けてやってみてほしいです。大変ですけど、自分の物語が始まるとめっちゃ楽しいですよ。高校も出ていない私が、世界最大の医学会A4M(米国アンチエイジング医学会)の編集長や、TCC(東京コスメティックコレクション)統括プロデューサーという大役を務めることができたのも、いろんな視点を持って妥協せずに突き進み続けてきた結果だと思います。

左:A4M Japanの会長である松山淳氏と / 右:TCC代表の玉木秀樹氏と

今後の夢、食に関しては何かありますか?

僕にとって食べることは生きることで、これだけの食べ周りをするためには、まず時間と胃袋と金銭的な余裕がないとできないですし、あともう一つ大事なことは健康でいることですよね。これらを保ちながらやりたいことができているって、これほどの幸せはあんまりないんじゃないかなと。なので、みんなが食を楽しみながら健康でいられて、幸せになれるような“何か”を作り上げられたらいいなと思います。それが僕の食において、そして美容においての総決算です。

取材協力
Restaurant由 -yoshi-
住所:東京都台東区北上野2-14-3 Hotel粋B1F
電話番号:03-6802-8151

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