やりたいことを実現するためには、まずは行動に移すことが大切。自分を信じて地道な努力を重ね、より多くの人に伝わる方法を模索していく
普段から心がけている習慣が3つあれば教えていただけますか?
まず、毎朝起きてすぐに1リットルのお水を飲みます。ヨガをやり始めた時に習慣として始めたことで、デトックス効果がありお通じも良くなるそうなので、10年以上ずっと続けてます。あとは毎朝のストレッチトレーニングと、家にいる時は必ず海辺を裸足で散歩しています。朝露を踏むのが良いので、早朝に行ってますね。
では、ご自身のスタイルを一言で言うと?
大笑い。人からはよくストイックと言われますけど、私自身はそうは思わないです。でも、ストイックな内容を笑ってやっているかも…ですね。
海で潜る以外、どんなトレーニングをされていますか?
筋膜リリースをするローラーを使って、体をほぐすメニューとトレーニングを毎日2時間ほどやっています。やらないと気持ち悪いというか、体が固まる気がしますね。ライフスタイルでもあり、プロフェッショナルとしてこの仕事をきちんとするには日々体を整えておく必要があると思いますので、サビが付いてない状態を保つために行っています。
潜ると筋肉痛になったりするんですか?
本来は力は抜いている状態が良いので、筋肉痛になることはあまりないです。自分が被写体になる時は、自分自身が気持ちいいというより、写真を見てる方に心地いいと思ってもらうことを大事にしているので、ダンサーさんのように必要以上に体を伸ばしたりして、力を使うというよりもより柔軟にする感じですね。
影響を受けた本、音楽、映画はありますか?
本は『アルケミストー夢を旅した少年』が大好きです。音楽は言語に限らず言葉が頭に入らないので、ふわ〜っと聴くくらいです。映画は、ドキュメンタリーや事実に基づいたフィクションが好き。『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』という作品にすごく感動して、どうしても実際に彼が踊っている姿を見てみたいと思っていたところ、スペイン滞在中に、ロンドンで公演があるのを見つけて日帰りで行きました。早朝のフライトだったので、公演中眠くて眠くて。だけど彼が出てくる時だけはなぜかパッと目が覚めて、「すごいな〜」って心を打たれました。
理想の女性像は?
内側から光り輝く方たちは本当に美しいと思います。パッションを持っている方々はお年を召していらっしゃっても、みなさんキラキラしていてお若い!自分もそうでありたいですね。
では、二木さんにとってチャンスとはなんですか?
チャンスは掴むものだと思います。どうなるか分からない、先が見えない、失敗したらどうしよう、など、なかなか最初の一歩が踏み出せないかもしれませんが、「失敗は成功のもと」と言われるように失敗していいと思います。失敗することで、「あ、そうじゃないんだな」と理解し、次のチャンスを狙おう!と更にやる気が出るのではないでしょうか。私自身、やらずに後悔するよりは、失敗してでもやってみることがほとんどで、やってみて失敗したら、「これは違ったんだな!」と思って次に進みます。そうじゃないと納得できないんですね。遠回りかもしれませんが、実際に自分自身の経験としてそう感じています。
これまでの人生で一番のチャンスだと思った出来事は?
その時はそう思いませんでしたが、やはりギネス記録に挑戦した時でしょうか。名も無いいち素潜り者だったので、スポンサーを見つけることがとても難しくて、挑戦するかどうしようか悩みましたが、お金がないことを言い訳にはしたくなかったのと、「世界初」というのは他の方が先にやってしまったら二度と出来ないので、腹をくくって自分で全額払って行いました。それが今の活動に続いているので、あの時諦めずに本当に良かったなと思います。
二木さんにとって成功とはなんですか?
何をもってして成功なのだろう?と思います。成功するために生きているわけではないので、わからないですね。
最も成功していると思う人は?
人ではないですけど、自然の生命力にはいつも感心させられます。台風などで、木が倒れたり珊瑚が根元から壊れたりすることがありますが、そうやって弱いものがなくなり、強いものが生き残りながら、今に適応して子孫を残している。自然って本当にすごいなって思うんです。私たち人間は何か自分に良くないことが起こると、「どうして私だけ…」と思ったり、物事を良い悪いで判断したりしますよね。ですが、自然や動物は与えられた環境の中で淡々と生き抜いている。例えば海の中に捨てられている空き缶などをうまく利用して、お家として住んでいたり、使えるものは全部使ったりしていて、その生きる強さは本当にすごいな〜と思います。
成功している人としていない人の違いがあるとしたら?
成功している、していない、という様に比べるのはどうなんだろう?と根本的に思います。それは、生きる意味が「成功か、失敗か」ではないと思うからです。ですが、物事の捉え方は大事かなと思います。例えば、円柱は横から見ると長方形でも、上から見ると円ですよね。見方によって違う様に見えますが、物は同じ。物事も同じで、何か起きた時にそれをポジティブに取るかネガティブに取るかは、その人次第だと思うんです。私は、何か良くないことが起こったとしても、それをチャレンジと捉えて向き合います。それを超えれば次のステージに行ける!と。そうすると、どんな良くないことでも「よし!頑張ろう!」と向き合えると思います。
二木さんが世界を変えられるとしたら、それはどんなことだと思いますか?
他者を変えようと思うのは自分のエゴでしかないので、私は自分の信じることをやり続けるだけです。世界は一人一人の意識が変わった時に変わるのかなと思います。私たち一人一人が、自分さえ良ければいいという自己中心的な考え方でなく、本当の意味で自分を愛し、大切にしていく。そうすると、自ずと優しい世界になると思うんです。自然、動植物、私たち人間が調和に満ちて共に生きる世界に。
二木さんのような人になりたい人にアドバイスをするとしたら?
誰一人として同じ人生を歩むことはないので、誰かと比べず、是非自分の道を進んでいただきたいです。どうしてもやりたいことがあるのなら、誰になんと言われようと、自分が本当にそうだ!と心から思い、信じ、やり続けて欲しいです。サクサクとはなかなか進まないでしょうし、上手くいかない時も多々あると思います。だけど、それが本当に自分のやるべきことであれば、いつか実現するはずです。大事なのは、まず自分が自分を信じることだと思います。
では、まだ叶っていない夢があったら教えてください。
ベルーガと呼ばれるシロイルカに、彼らの住む自然世界で出会い、彼らと交流し、その姿を写真や映像で残し、皆さんにお伝えしたいです。あとは世界で一番大きな生き物と言われているシロナガスクジラや、まだ出会ったことのない哺乳類と交流していきたいですね。私のためというよりも、自分を通して皆さんにお届けしたいです。
最後に、3年後、5年後、10年後のご自分はどうなっていると思いますか?
変わらずに同じことを淡々とやっていると思います。私一個人の、自分のためのプロジェクトというよりは、水中に共に生きる一員として、水中生物の声なき声の代弁者として、彼らが伝えたいことを伝える。水中世界と陸上世界の架け橋として、みなさんの心の奥深くをノックしたり、ハっとするインスピレーションの元であったり、種まきをし続けていると思います。自分さえ良ければいいという自己中心的なことではなく、本当の意味で一人一人が自分をちゃんと愛せるように、そして「私たちは全て繋がっている」ということを伝え続けていくと思います。
ヘアメイク:谷川彩霞
衣裳協力:ECOALF(エコアルフ)
二木あい写真展『中今 Naka-Ima “Here and Now”2021』
2021年10月12日(火)~10月28日(木)11:00~19:00(最終日は17:00まで)
ART FOR THOUGHT / アート フォー ソート
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