HIGHFLYERS/#44 Vol.4 | Oct 15, 2020

心が満たされ、自分がやってきて本当に良かったと思えるものに出会えたら成功。急に来たチャンスで花開くための準備も大事

Interview & Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka / Cover Design: Kenzi Gong

柚希礼音さんインタビュー最終回は、夢の実現やチャンスを掴む方法、そして成功についてを中心にお聞きしました。今までのインタビューからもわかるかと思いますが、柚希さんは宝塚でトップスターとなり、退団後も多くのステージで活躍しながら、常に謙虚な姿勢を持って、向上するための努力を欠かさずに日々を過ごしています。そういう気持ちであり続けるには、どのような考え方や日常生活が必要なのでしょうか。また、柚希さんのリフレッシュ方法やマイブーム、今後の夢なども伺いました。
PROFILE

女優 柚希礼音

6月11日生まれ、大阪府出身。2009年に宝塚歌劇星組トップスターに就任し、2015年に同劇団を退団。退団後も「マタ・ハリ」「唐版 風の又三郎」等、舞台を中心に活躍し、昨年上演されたミュージカル「FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜」は第27回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞。2021年1月より、主演を務めるミュージカル「イフ/ゼン」(シアタークリエほか)が公演予定。

最高のラグジュアリーとは、大切にしたい人がいること。理想の女性像は、常に人と向き合い、しっかり愛情のキャッチボールができる人

夢実現の仕方や方法についてお聞きしたいですが、ご自身の夢を実現するのに必要なことはなんだと思いますか?

やっぱり着実に一歩一歩進んでいくことだと思います。すでに夢を掴んでる人に会うと、自分も早く結果が欲しくなりますが、きっとその人だって人一倍努力したから成し得たことですよね。 地味な作業は嫌になりますが、今日より明日、明日より明後日と、たとえ落ち込む日があろうと、ちゃんと進むことが大切かと。夢は口に出したらいいよとか言うけど、口に出してるだけでも絶対にダメだと思うので、やるべきことは何か、何ができていないのかに向き合い、今よりもっと良くなるためにどうしたら良いかを考えることが大事ですし、その過程もちゃんと楽しんだら良いのではないでしょうか。

愛読本や好きな映画などがあれば教えてください。

少し前はあまりに勧められるので「愛の不時着」を観ていました。でも最近急に忙しくなって、途中で止まってます。宝塚時代に韓国ドラマにめちゃめちゃハマって、役作りの参考にもしていた時期がありました。 韓国ドラマの男の人って、靴紐を結んでくれたり、おんぶしてくれたり、胸キュンの行動や言動をしてくるじゃないですか。そういうことをされるのを観て、ちょっと女性心をくすぐられたので、それ以来またハマっていますね。韓国の女性も男性も、美しいのに逞しく、それなのにピュアなところが気に入っていて、続きが楽しみです。

他にマイブームなどはありますか?

ニューヨークにいた時に少しやったことはあったのですが、最近ジャイロトニックのマンツーマンレッスンを始めました。今、バレエと歌を新たに習っているんですけど、背骨の細かい部分まで使えていない感覚があって、踊っていると付け根がよく詰まるのを感じていたんです。それで、ジャイロをやってた時、細部に至るまで使えるようになってすごく気持ち良かったのを思い出して。もともとは、バレリーナのために作られたトレーニングみたいで、ピラティスよりも身体に圧がかかるのも気に入ってます。身体のトレーニングに関しては、次から次へとあれがやりたい、これがやりたいと浮かんできますね。

では、柚希さんにとって理想の女性像はありますか?

やっぱり愛し愛されてる人ですね。友達や関わる人皆さまに、ちゃんとしっかり向き合って愛情をキャッチボールし合っている人は素敵だなぁと思います。

何か具体的にそういうことをされていて、素敵だなと思った方はいますか?

自粛中に雑誌とかいろいろ読んでいて印象に残っているのが、「最高のラグジュアリーは、すごく大好きだと言ってくれる人がいて、自分もすごく大好きだと思う人がいること」みたいなことが書いてあって、それって凄いなって。ハイブランドとかいい車、いいマンションとか、いろんなラグジュアリーがありますけど、最高級のラグジュアリーは、やっぱり自分がとても大切だと思う人が1人でもいて、何人かいたら最高で、自分のことを置いておいてでも何かしたいと思う人がいるってことなんじゃないかと。そうじゃなくても、困っていたら助けたいと思う人がいるのはすごく幸せなことだろうなって思います。

お家にいる間、雑誌もいろいろ読まれていたんですか?

本当に雑誌が好きなんですよ。ファッション雑誌もチェックしますけど、一番好きなのはインテリアや旅行の専門誌ですね。

旅行は行かれるんですか?

旅行に行くのはもちろん大好きですけど、もし行けない場所があっても、雑誌で夢を膨らませて楽しむだけでも満足です。タカラジェンヌの頃は、休みが4日間あれば海外に行くし、3日しか取れなかったら国内、2日でも1日でも、日帰りでもどこかに行けたら行っていました。家でダラダラ過ごすより、たとえ1日でもどこかに行ってリフレッシュしたいし、その間はなるべく携帯とかも見ないようにしてます。

今まで行った旅行先でお気に入りはありますか?

ハワイとかアイスランドとか、他にもいっぱいあるんですけど、イタリアのカプリ島で青の洞窟に入れたときはすごかったですね。カプリ島は1泊か2泊は絶対にした方がいいって知り合いに勧められてのんびり過ごしました。ランチして昼からお酒を飲んで、日本にないようなデザインのハイブランドの服をいっぱい試着して、次のお仕事で着られるものも買いました。南イタリアの、あの開放的な雰囲気も最高でした。

旅先のスコットランドにて

それでは、柚希さんにとってチャンスとはどんなことだと思いますか?

チャンスって本当に急に来ますからね。そこまでにいかに用意をしてきたかだと思う。私も新人時代とか、急激に成長したように人に判断される瞬間、公演があるんですけど、それはもう何作も前から寝る間も惜しんで努力してきたことがその作品でようやく花開いただけで、その作品で成長したわけではないんですよ。それに、ピンチはチャンスとも言いますし、これからも大切にしているのは、チャンスが来た時にパッと花開く自分でいられるように準備をしていることだと思います。

では、成功とはなんだと思いますか?

人によって何が成功か、何がラグジュアリーか違いますし、結局は自分が本当に心から満たされているのを感じられることが成功だと思うんです。人生は自分のために生きるものなのだから、人に自慢するわけでもなく、みんなにすごいって言われるためでもなく、自分がこれをやって本当に良かったと心から思えるものに出会えた時こそが成功だと思います。それを頭のどこかに置きつつ、いつかそういう気持ちで満たされる時が来るように生きていきたいと思います。

成功する人と成功しない人の違いはなんだと思いますか?

それぞれの成功があるから難しいし、本人が成功と思うかどうかだけど、やっぱり人を妬んだりしているだけではどうしても満たされるところに辿り着かないんじゃないかなと思います。どんなに満たされているように見える人でも、やっぱり人を羨む瞬間や、自分の能力に対して落ち込む瞬間がいっぱいあると思うので、 自分がやるべきことはこれだと信じて、その中で試行錯誤しながらも頑張って続けていく。そうすれば少しずつでも満たされていくんじゃないかなと思います。

最後に、まだ叶ってない夢があったら教えてください。

歌はもっと上手になって、本当に素敵だって言われるような歌を歌えるようになりたいです。あとはオーダーメイドの家を作ってみたい。暇さえあれば、雑誌に載っているモデルルームやインテリアを見ながら夢を膨らませています。「やっぱりリビングが広いのがいいよな」とか、「こうなった場合ソファーはどこに置くか?」とか、模様替えや引っ越しする度に、南国のバリ風にしてみたり、スタイリッシュにしたり、ホテルっぽくしてみたりしてテーマを変えながら楽しんでいます。友達が家を建てた話を聞いたり、見に行ったりするたびに、自分も将来はオーダーメイドの家を作ってみたいなと思いますね。

ヘアメイク:CHIHARU
スタイリスト:間山雄紀(M0)

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Daiwa House presents
ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』

出演者:川口 調、利田太一、中村海琉、渡部出日寿/益岡 徹、橋本さとし/柚希礼音、安蘭けい/根岸季衣、阿知波悟美/中河内雅貴、中井智彦/星 智也/大貫勇輔、永野亮比己 ほか

東京公演
日時:9 月 16 日(水)~10 月 17 日(土)
会場:TBS 赤坂ACT シアター S 席 14,000 円/A 席 10,000 円
チケット一般発売中
お問い合わせ:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949(平日 11時~18 時)
大阪公演
日時:10 月 30 日(金)~11 月 14 日(土)
会場:梅田芸術劇場 メインホール S 席 14,000 円/A 席 10,000 円/B 席 5,500 円
チケット一般発売日:9月12日(土)
お問い合わせ:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10 時~18 時)

主催:TBS/ホリプロ/梅田芸術劇場/WOWOW/MBS(大阪公演のみ)

詳細は公式サイトにて
http://www.billyjapan.com/

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