ON COME UP
#59 | Apr 11, 2022

ラッパー、デザイナー、俳優とマルチに才能を発揮する人気アーティストが、最新アルバムに込めた想いと、描く未来のシナリオ

Interview & Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka / Retouch: Koto Nagai

今回OCUに登場するのはアーティストのSWAYさん。北海道札幌市出身のSWAYさんは、ソロアーティストとしての活動のほか、2014年6月に結成された、DOBERMAN INFINITYのメンバーとしてMCを担当。ラッパーとしての活躍はもちろん、劇団EXILEのメンバーでもあり、多数の舞台作品や、「リスタート」、「私はいったい、何と闘っているのか」など、映画やドラマにも多く出演しています。またデザイナーとしてもその才能を発揮し、アルバムジャケットのデザインなども手がけています。歌手、ラッパー、デザイナー、役者とマルチに活躍するその多才さは、SNSでも広く注目され、現在INSTAGRAMのフォロワー数は70万人、Twitterのフォロワー数は41万人を超えています。そんなSWAYさんに、3月16日に発売されたニューアルバム「Stay Wild And Young」についてお聞きしたほか、幼い頃のことから、ラッパーになったきっかけ、EXILE SHOKICHIさんやEXILE HIROさんとの出会い、そしてチャンスや成功についてを伺いました。
PROFILE

アーティスト/ラッパーSWAY

1986年6月9日に北海道 札幌市出身。2014年6月に結成された、4MC+1Vocalの男性グループ「DOBERMAN INFINITY」のメンバーとしてMCを担当。 またソロとしても多くのビックアーティストに客演参加し、ラッパーとしての活躍はもちろん、劇団EXILEのメンバーとして多数の舞台出演の他、映画やドラマにも多数出演、2021年は映画「リスタート」、「私はいったい、何と闘っているのか」が公開され、ドラマでは「来世ではちゃんとします2」、「おしゃ家ソムリエおしゃ子!2」「JAM -the drama-」に出演。 デザイナーとしてもDOBERMAN INFINITYのCDジャケット、グッズを始め、北海道日本ハムファイターズ等とのコラボアイテムをデザインし商品が即完売となる等、マルチクリエイターとしての才能を発揮している。その多才さを活かした幅広いクリエイティブワークスで多くのプロップスを得てきたSWAYのInstagramのフォロワー数は現在70万人、Twitterのフォロワー数は現在41万人と日本のアーティストとしてはTOPクラスの人気を誇る。 SWAYは、バイリンガル・ラッパーとしては代表的存在であり、彼の声の華やかと、フロウ・スキル、スタイリッシュさは国内において他を圧倒している。またラッパー兼俳優というスタイルと、ファッション業界でもアイコニックな存在になりつつある彼の次のアクションに、日本中が注目しているほか、世界標準のアーティストとしての成功の可能性に満ちている。 2017年11月Def Jam recordingsよりリリースしたソロ・メジャー・デビュー・シングル「MANZANA」は、iTunesヒップホップ/ラップ ソングチャート(2017/10/25付)、オリコン週間ランキング5位(2017/11/13付)、デイリー・ランキング最高2位(2017/11/5付)と、いずれのチャートのハイ・ランクを記録した。 そんなSWAYは、満を持してのDef Jam reccordingsからのメジャー・ファースト・アルバム『UNCHAINED』を2018年8月29日にリリース。このアルバムからはiTunesヒップホップ/ラップ・ソングチャートで1位を獲得した新境地のポップなトラック「Perf ect Love」、北海道レペンゼン・トラック「Never Goodbye f eat. EXILE SHOKICHI & SALU 」とソロ・アーティストとしてシーンに着実な軌跡を残した楽曲が誕生している。 2019年に入ると2月14日にバレンタイン・デー・トラックとして「チョコレート」配信、続いて10月2日配信となった映画『HIGH&LOW THE WORST』劇中歌、「中・中一派」のテーマ曲「ON FIRE」、2020年10月7日配信の「TALK」、そして2021年8月17日に配信した「Summertime」が連続でiTunes ヒップホップ/ラップランキング1位を獲得している。12月15日には初のデジタルEPにして全曲SWAY自身のプロデュースによる『UNION』をリリース。そして、2022年3月16日大望時のDef Jam Recordingsからの2ndアルバム『Stay Wild And Young』をリリース。このアルバムをひっさげたSWAYソロとしての初ツアー『SWAY LIVE TOUR 2022 “Stay Wild And Young”』の開催が決定。5月9日(月) 愛知 DIAMOND HALL、5月13日(金) 大阪 なんばhatch、5月30日(月) 東京 Zepp Haneda (TOKYO)にて行われる。

SWAY

SWAYさんは、北海道札幌市のご出身だそうですね。小さい頃はどのような性格で、どんな環境で育ったのですか?

人懐っこかったと思います。一人っ子なんですけど、親戚も歳の離れた人が多かったし、年上のお兄ちゃんのような人が常に周りにたくさん居ました。両親は、やりたいことをなんでもやらせてくれました。

 

―その頃、将来の夢はありましたか?

バスの運転手。交差する時に合図するのがかっこ良くて、それを見るためにいつもバスの一番前の席に座っていました。他にもサッカー、野球とか色々やりましたけど、中でもバスケが1番好きでしたね。NBAの選手が私服でB BOYファッションをしていて、すごくかっこいいと思ったのが、ヒップホップ にハマったきっかけです。

 

―ヒップホップはバスケがきっかけだったんですね。

ダンスも好きでしたけど、本当は歌をやりかったんです。 GLAYさんとかB’zさん、CHAGE and ASKAさんがめっちゃ好きで、あんな風に歌えたらいいなってずっと思っていました。でも高いキーは出ないし、ギターは三日坊主で終わっちゃって、何をやってもなんか違うって思っていた時に、ヒップホップに出会って。DJやパッドをいじるようになり、色々出来なかったことを出来るに変えてくれたのがヒップホップでした。あと当時はDragon Ashが流行っていたので、カラオケでよくラップをしてました。

 

―他に影響を受けたラッパーはいますか?

EMINEMですね。高校の時に友達と「8 Mile」を観に行って、めちゃめちゃ影響を受けました。ちなみにSWAYという名前は、その映画を観た後、興奮冷めやらぬままに寄ったファミレスで決めたんです。ずっとラップをしてはいたけど、やっぱりかっこいい名前が必要だなって改めて思って、ドコモのガラケーの英和辞書でかっこいい名前がないか探して、「SWAY(スラングでかっこいい、すごいなどを意味する)」という言葉を見つけて。それからは毎日友達とリリックの送り合いみたいなのをやってました。

 

―そうだったんですね。ラッパーとしての活動はどのようにして始まったんですか?

16歳の時にイベントに誘われてDJの友達と二人で出たのが最初です。NORTH COAST BAD BOYZっていうグループのメンバーとか、ラッパーの人たちが最前列で睨むように僕達を見ていて、すごく怖かったのを覚えてます(笑)。鍛えられましたね。それから毎週末、ライブに出るようになりました。

 

―その後、カナダのトロントに留学されますよね。きっかけは?

本当はアメリカに行きたかったんですけど、ビザとか色々大変そうだったので、アメリカに一番近い所で大都市のトロントを選んで、ワーキングホリデーのビザを取得して 行きました。19歳の時です。

 

―向こうではどんな生活を送っていたんですか?

海外のミュージックビデオに出てくるような向こうの生活に憧れてたんで、まず着いた次の日にBMXを 買って、モールに行っていろんな服を買って生活を始めました(笑)。英語が喋れないから「BEST PARTY」って書いたホワイトボードを持って、レコード屋さんとか服屋さんとかに行って、そのボードを指差して「どこ?」って聞いて一人でクラブに行ったり、あとは自分でイベントを主催して、現地で繋がったアーティストをブッキングして出てもらっていました。

 

―その頃は将来ラッパーになろうと思っていたんですか?

そうですね。カナダに行く前に、1年間だけ音楽の専門学校に行ったんですけど、そこで作った6曲にラップを乗せて、ミックスとマスタリングも自分でやって作ったCDを、TSUTAYA とかゲオに無料で置いてもらってました。デザインは15歳からやってたんで、ジャケットも自分で作って。クオリティは今見れるようなものじゃないですけど(笑)、当時から変なハングリーさはあったんですよね。ただ、何をしたら職業としてラッパーって言えるんだろう、という疑問はずっとありました。

 

―その頃好きでよく聴いていたラッパーは?

日本だとAK-69さんとか、Zeebra さんとか聴いてましたし、US のヒップホップだと、カニエ・ウェストとかですかね。それまでUS のヒップホップシーンって、ギャングとか、悪いやつがいいのかなって思ってたけど、カニエ・ウェストのような中流家庭で育ったラッパーが出てきて、他にもルーペとかファレルとか、自分のありのままをスタイル化していいんだよって言ってくれてるような感じがして、それ以来、自分の中で変われましたね。

 

―それで、トロントでいろんな経験をされて、帰国しようと思ったきっかけは?

トロントでの生活は楽しかったんですけど、ちょっと緩すぎて、将来が不安になって帰国しました。それで札幌に戻る前に、留学前から一緒に音楽活動していたEXILE の SHOKICHI の東京の家に2週間ぐらい滞在させてもらったんです。その間に、SHOKICHIを介して 当時まだDOBERMAN INC だった頃のメンバーに会ったり、EXILEの メンバーを紹介してもらったりしました。

 

―帰国後は、その先の道が既に作られていたんですね。

いや、全然そんなことはなくて。SHOKICHIは、俺は俺で頑張るみたいな感じだったので、その後は何年も会ってなかったです。俺はずっと服屋さんで働きながら、先輩と一緒にイベントに出させてもらったり、東京から来たゲストのラッパーの方たちをアテンドしながら北海道を周って音楽を続けていました。

 

―その後、上京したきっかけは?

24歳の時、もうすぐ20代半ば折り返し地点に入るってなった時に、ここで30代を迎えたくないって思って。まだ音楽一本でやれてなかったし、自分の中で納得いってなくて、一回東京に出ようと思ったんです。今思えば全くお金もないし、すごい無謀だったと思いますけど、ルームシェアとかすれば何とかなるんじゃないかっていう安易な考えで色々調べていたら、奇跡的なタイミングでSHOKICHIから電話が来て。

 

―すごいですね。SHOKICHIさんは何と?

俺が服屋を辞めて札幌を出ようと思ってるって言ったら賛成してくれました。それで、彼が年明けに札幌に3日間来ている間に、一緒に3曲作りました。SHOKICHIがそれを持って東京に帰って、HIROさんに聴いてもらったら気に入ってくださったので、東京に行ってHIROさんやATSUSHIさんに会わせてもらえたんです。その後東京に引っ越して、しばらくSHOKICHIの家に居候させてもらってました。

 

―素晴らしいです!その曲はリリースはされたんですか?

リリースはされなかったですけど、その後も二人で定期的に曲作りしてました。当時は、SHOKICHIもアーティストとしてのいろんな葛藤があった時期だったけど、その数年後に「BACK TO THE FUTURE」っていう曲でソロデビューすることができて、SHOKICHIの夢が実現しました。僕もVERBALさんと一緒にフィーチャリングで参加させてもらえて、めちゃくちゃ感慨深かったです。

 

―それでSWAYさんもLDH に加入されたわけですね。

いえ、僕はその時はまだ 入れてなくて、SHOKICHIと夜な夜などうやったら僕が LDH に入れるかを考えてました。しばらくバイトをしながらいろいろなイベントに出させもらったりしていたら、ある日、HIROさんが自分のバイト先の飲食店に来てくださって、役者に興味があるか聞かれたんです。それで僕は「なんでもやります」って言って、次の日から演技レッスンを受けるようになりました。その後、ある舞台のオーディションを受けて合格して出演することができて、その打ち上げでHIROさんから劇団EXILEに誘っていただきました。やっと第一歩を踏めたので、それからもデモ作りは常に続けて、完成したらHIROさんや役員の方に聴いていただくという、社内プロモーションを自分でずっとやってました。

 

―その時があって、今があるんですね。ところで先月新しいアルバム「Stay Wild And Young」を3年半ぶりにリリースされましたが、心境はいかがですか?

素直に嬉しいです。去年12月に4曲入りのEPを出させてもらいましたが、本当だったらこの3年半の中で、もう少し短いスパンで色々リリースしたかったですけど、コロナが起きて、DOBERMAN INFINITY としての活動や、自分の役者業とかある中で、オフができた時に知り合いのプロデューサーと作った曲も今回入っているんで、やりたいことは詰め込めた一枚になったと思います。

 

―このアルバムは、SWAYさんの人生のサントラとおっしゃっていますが、その点を詳しく聞かせてください。

一枚目の「UNCHAINED」をリリースした時、初めてスタジオコーストと大阪でワンマンをやらせていただき、自分にとっての大きな経験になりました。また、同じ年にグループとしても、武道館やアリーナツアーをして、夢を叶えることができました。でもその前に、自分の母親が亡くなり、去年結婚して子供ができて、人生の大きな別れと出会いもあったし、すごく激しい3年半だったと思ってます。人の命を以って何かに気付かせてもらえるって本当に何にも変えられないというか、ありがたいことなのかなと思いましたね。

 

左:初のワンマンライブ / 中:DOBERMAN INFINITYとして、アリーナと武道館でのコンサートを開催

―歌詞を通して、生と死にすごく向き合った時間を過ごされたんだなと感じました。

ある方から「これはSWAYの人生のサントラやね」って言われて、確かにそうかもと思って。やっぱりグループでは、5人の頭脳で5人の物語を作っていくんで、今作はソロとして、自分がこれまで見てきたものや感じてきたことを音楽にして、一つの形にすることができました。

 

―選ぶのは難しいと思いますが、特に力が入っている曲、感慨深い曲はありますか?

3曲目の「Life Coaster」ですかね。 誰にでも当てはまる内容だと思うし、すごく好きな曲です。生きるってお金がかかるし、自分でも常に明日や来月のこととか心配は尽きなくて、いつになったら楽になるんだろうって思ったりするじゃないですか。その中でも無理やり贅沢はするんですけど、そういうリアルなことは書きたいと思って。人生ってローラーコースターみたいだなと思って、Life Coasterにしました。

 

―ルーペ・フィアスコと「Under The Stars feat. Lupe Fiasco」で共演されていますが、彼とは前から交流があったそうですね。

ルーペはずっと自分のレジェンド的存在で、自分の人生のヒップホップの見方を変えてくれた一人です。彼が2019年に来日した時に一緒にディナーをすることができて、僕がいろんな質問をしてもすごく気軽に話してくれたのが嬉しかったですね。その後「UNION」をリリースするとなった時に、それまでは海外のアーティストと曲を作ることに自分の中で抵抗があったんですけど、これから10年、20年経った時に、自分の子供が「お父さんってこういうことをできたんだ、だったら自分もできる」って思ってくれたらと思って、共演をお願いすることにしました。共演してみて、すごく楽しかったし、勉強にもなりました。

 

―海外と日本のヒップホップで違いを感じることはありますか?

さっき海外アーティストをフィーチャリングすることに抵抗を感じるって話しをしましたけど、そういう考えは古いというのも分かっていて、それを全然感じさせないぐらい今の日本のヒップホップはすごいと思うし、かっこいいアーティストがどんどん増えてきてると思います。昔は、ヒップホップってちょっと気嫌いされたりとか、海外のものまねだって言われてたと思うんですけど、ストリーミングのおかげもあって、みんながヒップホップにもっと触れやすくなって、ずいぶん変わったと思います。逆にリスナーの方が耳が肥えてきているし、もっとハングリーになってきてる感じがするんで、それも良いことだと思いますね。近いうち、海外のような光景を日本でもたくさん見れるんじゃないかなっていう期待もあります。

 

―このアルバムをどんな人に聴いて欲しいですか?

ずっと待ってくださってたファンの皆さんはもちろん、今まで自分の音楽を聴いたことのない人達にも聴いてもらうのが、目指したいところではあります。とりあえずは今の自分が本当にやりたいことだったり、表現したいことを詰め込んだ一枚になったと思うんで、そこを聴いて評価してもらって、それが口コミで広がっていったら嬉しいですね。

 

―では、これまでデザインや役者など、音楽以外のことも色々やってこられたと思いますが、逆にやらないようにしていることってありますか?

逆にやらないことを作っていかないとまずいなっていう年頃になってきたと思います。時間は限られているんで、何かに手を出すと何かができなくなるし、そこは見極めないといけないと思ってます。

 

―たくさんの分野を同時にやる上で大変なことはありますか?

自分の中で、音楽とデザインはまだ両立ができるものだと思ってますけど、役者業は撮影の間は拘束されるんで、ツアーが組めないっていうのはありますね。そう考えると両立ってそう簡単にはいかないのかなとも思います。

 

―芝居、音楽、デザインの間に共通点はありますか?

音楽ってリリックに起こさないといけないので、言葉の表現がちょっと強すぎる時があると思うんですけど、絵だと柔らかくなって、違う見え方で表現ができると思います。何かを作った時に、自分の言いたいことがそのまま伝わらなくてもいいものがアートなのかなと。また、音楽は自分から発信して、自分で掴みにいくものであるのに対して、役者ってまず役があって、誰かが自分を選ぶものだと思ってて。台詞があるから、自分が喋りたいことじゃない言葉を喋らなきゃいけないし、自分が演じた役からめっちゃ刺激をもらうこともあります。役の台詞を探ることも勉強になるし、自分の人生で一回も発したことのないような言葉も言える。そこでインプットしたことが、自分の別の作品にも影響あるといいなって思いますね。

 

―では、人生を変えた人物との出会いと言われたらなんでしょう?

たくさんいますけど、あの時のSHOKICHIからの電話はすごいミラクルだったのでやっぱりSHOKICHですかね。なんだかんだ10代から一緒にいますし。

 

―では、SWAYさんがプロとして最も大切にしていることは?

音楽が純粋に好きっていう気持ちを濁さずにいることが大切だと思います。 僕は、音楽をずっと好きで生きてきて、アルバムをリリースして、ツアーやって、また次をリリースしてツアーやって、みたいな生活が当たり前だと思っていたので 、コロナが起きてそれが出来なくなってしまい反省しました。そこで、もう1回自分の中で音楽の火に対してのピントを合わせよう、目の前で鳴っている全ての音楽をちゃんと聴こうって思ったんです。

 

―これまで、ご自身の価値観に変化や気づきがたくさんあったと思いますが、今すぐに思い浮かぶのは?

ここ最近だったら、Netflix のカニエのドキュメンタリーはめちゃくちゃ影響を受けましたね。文字で読むと結局想像の世界になっちゃうけど、映像で見ると、その人の苦労もしっかり見えてくるじゃないですか。彼ってクレイジーではあるけど、誰もが知るスーパースターになるまでのすごい努力を見たら、僕もまだまだ足りないと思うし、先ほど言った目の前の音楽をちゃんと聴こうと思ったのも、カニエの音楽への愛を見て影響を受けたのもあります。

 

―最近は、どのようなワーク ライフスタイルを送っていらっしゃいますか?

僕は仕事とプライベートのスイッチがなくて、常に全部同じチャンネルなのであんまり変わらないです。サウナが好きなんで、考えごとが必要な時はサウナに入って考えます。プライベートでは、サウナ以外だと、家の音響を整えて、ちょっといいスピーカーとアンプを買ったので、子供を抱っこしながら音楽を聴くのがすごく楽しいですね。あとはこの前ASKAさんのライブを拝見したんですけど、やっぱり爆音で音を浴びるってめっちゃいいなぁと思って。これからはジャンル限らず、もっといろんなアーティストのライブを観に行こうと思いました。

 

―では、SWAYさんにとって、チャンスとは?

チャンスは常にめちゃくちゃあるものですね。特に東京なんて、雨レベルで降ってると思います。でも、必ずしも掴まなきゃいけないものではないとは思ってて。そのチャンスを掴んだことによって、もっと大きいチャンスを逃すこともあるだろうし、終わってみないとわからないものじゃないですか。だからどれを選ぶかはすごく難しいと思います。僕にとってチャンスはフットワークかな。僕はフットワークめちゃくちゃ軽いんで、それがいつもチャンスに繋がった気がします。

 

―これまで掴んだチャンスの中で1番は?

フットワーク軽いがために、東京で面白そうなイベントがあるたびに北海道から行ってたんですよ。服屋の仕事が終わって、そのまま空港に行って、飛行機に乗ってイベントに行って。そうすると、東京の人たちが「北海道からこれだけのために来たの?やばくない?」って。「それだけでやばいって言われるんだ、超ラッキー!」って思ってました。それで結構人と深く繋がれたり、忙しいのに来てくれたって、人の記憶に刻まれて得するところがありましたかね。

 

―では、SWAYさんにとって成功とは何ですか?

自分で自分は成功してると全く思ってないんで。成功は、いつか見てみたいものですかね。

 

―成功者だと思う人はいますか?

最強の成功者はHIROさんでしょうね。ワールドワイドに見れば、ジャスティン・ビーバー、ブルーノ・マーズ。もっと年上の人だったら、ドクター・ドレー、 Jay Zとか。日本とアメリカのマーケットは桁が違うんで比べるのが難しいけど、HIROさんが作ったダンスボーカルのマーケティングはアメリカにはまだないものですし、先駆者としてはすごい成功者だなと思います。それと比べたら、自分は小豆です(笑)。

 

―SWAYさんがやられていることで、日本や世界を変えられるとしたら、どんなところだと思いますか?

アートは言葉の壁がないので、もしかしたらデザインが一番近いところにあるのかもしれないですね。最近だったら NFT とかもあるし、国境がないっていうのは大きいかなと。でも、自分の中で役者と音楽とデザインがトライアングルであって、役者をやれば他の2個に対する欲が出て、デザインをやれば音楽の欲が出てみたいな感じなんで、これからも全てをバランス良く、自分に合ったペースで続けていきたいと思います。

 

―3年後、5年後、10年後の自分はどうなっていると思いますか?

3年後は、30代最後。音楽はまだやっていたいですね。5年後は、銀座のお寿司屋さんを貸切って、20代、30代の後輩たちを10人ぐらい呼んで、払えるぐらいなりたいです。10年後は、家にザギンのシースーの職人さんに来てもらって、振る舞えるぐらいになりたい(笑)。

 

―いいですね!では最後に、まだ実現していないことで、これから挑戦してみたいことを教えてください。

ソロの全国ツアーはずっと出来ずにやってみたかったことなので、今回初めて出来ることになってかなり気持ちを高めています。あと、中国やLAに友達がいるんで、その辺りにライブしに行きたいと思います。ただ、LA でライブするのは怖いなと思ってます。瓶とかが飛んできそうで(笑)。

 

Stay Wild And Young」3/16リリース!

前作「UNCHAINED」から約3年半ぶりとなるオリジナルアルバムが完成。ソロの”ラッパー”SWAYとしての多彩さを印象づける2ndアルバム。デジタルシングル「チョコレート」「ON FIRE」「Angels」「TALK」「Summertime」や、自身が強くリスペクトするラッパーとのコラボレーション「Under The Stars feat.Lupe Fiasco」の他、新曲も多数収録。新曲では更にバラエティに富んだアーティスト・トラックメイカーとのコラボレーションも実現。王道のHipHopスタイルはもちろんのこと、新たな一面も垣間見られるようなアルバムに仕上がっている。

SWAY Information