HIGHFLYERS/#14 Vol.4 | Dec 17, 2015

俺は大成功者。なぜなら好きなプラントハンティングを仕事にできているから

Text: Kaya Takatsuna/ Photo: Atsuko Tanaka/ Cover Image Design: Kenzi Gong

最終回のVol.4は、“清順さんにとってのチャンスと成功とは?”に迫ります。チャンスを掴む人は何が違うのか、清順さんから見た成功者は誰なのか?また、世界数十カ国を巡って、世界中の人々との交流を深めてきた清順さんならではの視点から、日本の子供達を見て思う事や、まだ実現していない未来の夢についても語っていただきました。
PROFILE

プラントハンター西畠清順

1980年 生まれ。幕末より150年続く花と植木の卸問屋、花宇の五代目。 日本全国・世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。 日々集める植物素材で、国内はもとより海外からの依頼も含め年間2000件もの案件に応えている。 2012年、ひとの心に植物を植える活動"そら植物園" をスタートさせ、 植物を用いたいろいろなプロジェクトを多数の企業・団体などと各地で展開、反響を呼んでいる。
著書
“教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント”(徳間書店)
“プラントハンター 命を懸けて花を追う”(徳間書店)
“そらみみ植物園”(東京書籍)

夢はいつか大きな木の下で政治家とかが大事なことを決める場を作る

西畠さんにとってチャンスとはどういうことだと思いますか?

チャンスは分かれ道だと思います。そのチャンスを見送るか、トライして撃沈するか、トライしてモノにするか。チャンスがいっぱい訪れる人もいるし、あんまり訪れない人もいると思う。数は個体差によって変わると思うし、植物でも動物でも、訪れるチャンスの数はどうしても変えられないけど、少ない人でもそのチャンスを本当にモノに出来たら、次のチャンスが絶対広がるんですよ。俺も毎回毎回、判断をして、人生の分かれ道を進んできてると思うんですけど、一個、一個のチャンスが来た時に、見送るか見送らないか、やるかやらないか、っていうので人生って圧倒的に変わると思うんですよ。

やって来たチャンスをやるかやらないかはどのように決断しているのですか?

チャンスが来た時に、このチャンスはどういうチャンスなのかっていうのは考えるし、やっぱりチャンスの多い人、モノにしてきた人はどんどんチャンスの規模も大きくなってくるじゃないですか。この人にチャンスを与えたら自分にお得があるだろうっていう人がどんどん乗っかってくるんですよ。俺もどういう方法でやろうかなとか、誰と組もうかなとか、常に選んでるんです。そのチャンスをまあまあの成功にするのも大失敗にするのも大成功にするのも、自分次第だから。

清順さんは決断は早い方ですか?

早いように見せてます。死ぬ気で悩むこともなくはないけど、大体は早いです。

大体その決断は間違ってない?

いや、分からないですよ。あそこで違うチャンスを選んでいたら、もっと儲かってたのか、もっと人気者になっていたのか、もっと最悪になっていたのか、そんなの分からないじゃないですか。でも俺は少なくとも、その時に一番ベストな方法をやる努力はしてきたつもりです。

成功する人と成功しない人の違いはなんですか?清順さんにとって成功とは?

それってあたかも俺が成功してるかのように、成功者としての言葉を言いたくなるんですけど、でもどうかって言われたら俺は成功してると思うんです。なぜなら好きなことを仕事に出来て、食べていけてるから。毎日好きな事が出来ていて、明日地球が最後の日ってなった時に今日までこれで良かったなって思えたら成功だと思います。ということは、成功しているかどうかの違いは、好きなことを仕事に出来てるか出来てないか、かもしれないですね。別にそれでお金が儲かっているか、いないか、世の中に評価されてるか、されてないか、人に嫌われてるか、嫌われてないかは自分の中で決めるもので、成功と思っている人は、自分のやりたいように人生生きているのであって、その度合いは人それぞれっていうのかな。だから俺は大成功者なんですよ。好きなことをやれて、ちゃんと食べていけてるから。俺は植物扱ってて良かったなって死ぬほど思ってます。

清順さんが最も成功してると思う人は誰ですか?

難しい、、そうやなぁ〜、、。糸井重里さんが思い浮かびましたね。本人はどう言うか分からないけど、糸井さんはやりたいことを子供のようにワクワクしてやるっていうのと、鮫のように鋭い感覚と、老若男女に慕われているというか、テレビのバラエティーで面白い事言って人気出ているわけじゃなく、テレビにあまり出ないのにあれほど影響力ある人ってすごい少ないと思います。

清順さんの今も記憶に残る、実現したことで何か大きなことはありますか?

この前、あるパーティーでたまたま初めてお会いした女性が、「あの桜のプロジェクト見ました。あの企画は清順さんじゃないと出来ないと思います!」って泣き始めたんです。それは3年前のプロジェクトなんですけど、知らない間に自分がやってることが、人の思い出に残るようになったんだなっていうのは日々感じていますね。自分が想像している以上に色んな人がそら植物園に注目していてくれたり、応援してくれていたり、嫉妬してくれたり(笑)するんだなと思うようになりました。全然そんなの気にしてないですよって格好つけて言いたいですけど、やっぱり嬉しい時は嬉しいし、励みになるし、それはすごく感じてます。声あげるまで俺の人生にそういうのが待ってるなんて知らないじゃないですか。「よし、声あげるぞ」ってなってからまだ3年やし。

イベントなどで子供達と触れる機会があると思いますが、日本の子供の教育について、こうしたらいいのにと思う事はありますか?

何でも検索出来る時代になったから、そこで満たされて、頭でっかちの子が増えてきてると思うんですよ。行動する前にまず調べるのって確かに大切なことなんですけど、人間として自分の足で歩くことも大切ではないかと思います。生け花には、“足で活ける”という言葉があります。花はファックス一枚送れば花屋さんから綺麗な花が届くのですが、昔の華道家は自ら山を歩いて学んで活けていたんです。現地に行く人とそうでない人とは全然違うと思うんですよ。だから自分の足で歩いて、行動するってことが大切で、子供達には頭でっかちのデジタルとか、ものすごい色んなテクノロジーが発展していく時代だからこそ、逆にもっと有機的になってほしいと思います。そして子供達が良くなろうと思ったら、まず大人達が良くならいといけないと思う。だからイベントは毎回、子供達に教えるふりして大人に伝えたいっていう感じになってしまいます。

お子さんは女の子が一人いらっしゃるそうですが、プラントハンターにさせたいですか?

どうですかね。全部自分の思うように決めてもらいたいと思ってるから、望む事は別に何もないです。

最後に、まだ叶えてない夢があったら教えて下さい。

大事なことを決める決定権のある人達、例えば建築家とか、特に政治家のような偉い方達がたくさん集まって、難しい大事なことを決める時に、セキュリティーや、同時通訳とかいう話も全部置いておいて、会議室のような建物の中ではなく、一本の木の下やガーデンとか、それが建物の中だとしても、そこに木があったりしたらどうなのかな〜って思っていて。例えばG12のような、ゲストが世界中から来る時に、そこに植物持っていくみたいな仕事は何回もしてるんです。でも、この木の下で語らおうとか、この木の下で発表しようとか、例えば日中の大事な話だったら、植物は日本の木と中国の木が仲良く咲いてるところで話し合おうとか、そういうような事が出来たらと思います。

それはつまり、話の内容や互いの関係性をも変えていく力を植物が持っているということでしょうか?

そう、空気って凄く大切だと思うから、その空気を変えられるのは植物だと思うんですよ。いいインテリアのいい椅子で発表するのとは違うものが出来ると思う。だから国間問題とか、偉い人が大事なことを決める時に、俺がそこの空気を植物で作れたら何かええ話になるんちゃうかなーって。

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