HIGHFLYERSにゆかりのある人物に、ご自身の心のオアシスとして大切な場所を紹介していただくコーナー「Rejuvenate(リジュビネイト)」。第2回目のゲストは、世界が注目するダンスパフォーマンスグループs**t kingz(シットキングス)のOguriさん。グループでの活動に加え、7月からは演劇ユニット「地球ゴージャス」プロデュースの音楽劇「クラウディア」に単独で出演が決定するなど、個人での活躍も目立つ。そんなOguriさんの選んだ場所は、渋谷に2020年にオープンしたSHE WOLF DINER。
SHE WOLF DINERは、 高校時代から飲食業に携わっていたオーナーの菅原悠斗さんが、宮崎での夏限定バーガーショップ「SHE WOLF BURGER」を経て、一昨年の10月にオープンした。スタッフは、ヘッドシェフのモトをはじめ、オーストラリア留学時代に知り合った仲間がメインというだけあって、カリフォルニアやオーストラリアのゆるやかで心地の良い空気のなか、都会の喧騒から離れ、ゆったりとした時を過ごせる。日本にいながら海外旅行している気分になれる雰囲気が魅力的なダイナー。一番人気のメニューはトリュフマッシュルームバーガーやアボカドバーガーなどのハンバーガー。Oguriさんのお気に入りは、アボカドモッツァレラバーガーだそうだ。
オーストラリア在住アーティスト、Kentaroのイラストにも惹かれた。ハンバーガーメニューと店内ののんびりできる雰囲気が好き

―このお店を知ったきっかけは?
ふらっと前を通りかかった時に、こんなところができたんだって思って、思わず吸い込まれるように入りました。店内はめちゃくちゃオシャレだし、ハンバーガーも美味しいし、グッズとか絵もめちゃくちゃタイプだと思って。このお店のロゴやマグカップのイラストを描いてるのはオーストラリア在住のアーティストのKentaroYoshidaさんという人なんですけど、以前シッキンのグッズのイラストを描いてもらったこともあって、勝手に親近感を覚えて。思わずマグカップを買って、携帯にもステッカーを貼ってる、っていうくらいファンです。
―そうだったんですね。数あるお店の中からここを選んだのは、やはりお店のスタイルや雰囲気が決め手ですか?
もともとハンバーガーがすごく好きなので、ハンバーガー屋はすぐに入っちゃうんです。ここはその中でも印象的な店内の居心地の良さや美味しさがあって、好きな場所です。思わずマグカップを買っちゃうってなかなかないなって。ここの近くで仕事があって空き時間があると、「あ、行こう」ってなりますね。昼過ぎはあまり混んでないのでのんびりできていいなって思います。仕事の合間でも、シングルのハンバーガーならパパッと手軽に食べられるし、ボリュームもちょうど良いです。
―いつも頼むメニューは決まってるんですか?
色々トライしたくはなるんですけど、つい同じアボカドモッツァレラバーガーを頼みます。 ボリュームもあるし、バンズには少し甘みがあって、全体の甘じょっぱい感じとかピクルスの酸っぱさとかが絶妙で美味しいです。

―9月からs**t kingzさん新作舞台「HELLO ROOMIES!!!」がスタートします。約2年越しにやっと実現できますね。
ようやくです。 2年前に一回やろうとしたけど、コロナで延期になってしまったので、舞台自体は4年ぶりとかで。ようやくの舞台なので、そもそも内容も果たしてそのままやるべきかみたいなことから、メンバーともう一度話し合いました。2年前に構想した人形を使うところは変えず、でも他はガラッと、ストーリーも含め全体の内容はだいぶ変わりました。
―それは、コロナを経てみんなの中で考え方が変わったことが大きいですか?
それもありますね。やっぱり2年前って、とにかく自分たちが楽しいと思えるようなことをやろうという気持ちがすごく強かったので。そこは変わらずちゃんとキープしながら、舞台を観た人に、「また明日も頑張ろう」って思えるパワーを受け取ってもらうには、どういう作品にしたらいいんだろうっていうことを深く考えて、ただ楽しいだけじゃない風になったというか。コロナ禍で今まで出来ていたことが出来なくなって、当たり前のことが当たり前じゃなくなった中で、それでも楽しませて、みんなに元気になってもらうにはどういうメッセージを伝えたらいいんだろうっていうところを、もう1回4人でしっかり話し合ってという感じですかね。
―コロナ後も4人の関係性とか仲の良さとかは変わらないですか?
変わらないですね。むしろコロナの自粛期間中に、これからシットキングスはどうしていくべきだろうとか、そもそも俺たちはどうなりたいんだ?みたいなのを、時にはマネージャーも入れてオンラインで話したりしました。でもやっぱり元気になったよっていう声を聞いたり、楽しそうな顔を見て、俺たちはパワーをもらえてるので、本能のままに面白いと思ったことをやっていくべきだよなって、すごくポジティブに考えられた時期でもあった。コロナの前は、シットキングスの活動もドタバタしてたので、一度立ち止まって改めてこの舞台と向き合えるきっかけをもらえたのかと思うと、むしろ良かったですね。
―そして舞台がもう一つ、7月は単独で地球ゴージャスに出演と大忙しですね。
7月ほぼほぼいっぱい東京と大阪公演やって、8月からがっつり自分たちのが始まって、9月が本番。怒涛の感じです。でも性格的に忙しいというか、バタバタとやることに追われる方がなんだかんだ安心できる。のめり込めるものがある方がいいですね。どっちもチャレンジできるものなんで、そういうものを続けられるってありがたいなって思います。明日(*取材時の翌日)から稽古が始まるんで、果たしてやっていけるのか不安はありますが、ワクワクの方が大きいです。

―明日から、ゴージャスの稽古に入るんですね。
そうですね、台詞も、歌も、殺陣もありますし、どういう稽古の仕方をしていくとかはまだ未知の世界でめちゃくちゃ緊張します。結局中止になっちゃったんですけど、2020年の4月にウエストサイドストーリーのシーズン3に出るはずだったですよ。ちょうどその時に最初の緊急事態宣言が出て、初日が開ける3日前くらいまで稽古してて、結局なくなったんですけど。その時も稽古が始まる前は何をするんだろうってずっと不安で、でもいざ始まると皆と仲良くやって楽しかったので、今回もきっと楽しく稽古出来るんだろうなと思いつつ、緊張もしています。作品は18年ぶりの再演ですし、その時代のゴージャスをしっかり引き継ぎつつ、新しい形でやれるように。
―先ほどの撮影を拝見していて、前回の4人の撮影の時とはまた違った独特の存在感があってびっくりしました。
4人の時はすごく楽しいし気楽でいられるというか、周りのみんながどうにかしてくれるだろうとか、どこか人任せなところがあるけど、一人の時は結構緊張してしまうんです。一人で見てもらえるっていう嬉しさと、ちゃんとしないとっていう緊張感というか、責任感が混在している感じです。
―ダンスや演技に関して、より上を目指して日々努力していることは?
とにかくここ数年で、コツコツ積み上げる大事さをとても実感しまして。ダンスも、自粛期間中に、何か理由がないとどんどんだらけてしまいそうだったので、毎朝インスタライブでアイソレーションとかリズムトレーニングみたいなのとか、ウォーミングアップ的なのをやってたんですよ。その後、自粛明けに踊った時に、周りの人からダンス変わったねとか上手くなったみたいなことを言ってもらえたことがあって。あと体幹トレーニングもコツコツやっていたので、体幹がすごくなりましたねとか言われました。

―ご自身でも変化は感じますか?
自分はすごく鈍くて、 あんまり変わったことに気づいてなかったです。でも周りに言われると、確かにそうかもしれないって感じることがあって。今回の歌だったりお芝居とかも、2年前くらいからいろいろ習ったりしてるんですけど、そういうのも本当に一朝一夕でできるものじゃないっていうのも痛感しましたし、でも積み上げれば絶対に出来るんだなって、どっかでちょっと光が差す瞬間があるんだなって、凄い体感できたんで、これから歳をとっていくからこそ、一夜漬けパワーじゃなくコツコツちょっとずつやるのを大事にしていこうって感じました。
―素晴らしいです。アーティストとして、普段はどんなことからインスパイアを得ることが多いですか?
ダンス、ストレートプレイ、ミュージカル、なんでも舞台を観に行くのがすごく好きで、現場で生で体感して刺激を受けています。 面白い演出やいいパフォーマンスしてる人を見ると悔しくなりますね。
―演出を見ても嫉妬するんですか?
します。なんでこんなこと思いつくんだろうとか、こうするとこんな風な見え方するんだとか。アイデアに嫉妬したり、単純に凄いダンス、お芝居を観ると、うわー、俺もこんな風にパフォーマンスできたらなって、そうやって刺激をもらいに行く。

―最近一番嫉妬したのはなんですか?
(原田)薫さんが、浅草でやったソロの公演を観に行ったんですけど、やっぱり芝居も歌もダンスも、全てがすごいなって。出会って10年以上経ちますけど、ずっと追い続けられる存在だなって思って。これはもう嫉妬というより、感動。同じ時代にこの人と出会えて良かったと思えるというか、憧れですね。
―これからご自身が目指す場所や夢があれば教えてください。
表現することがすごく好きなんで、ダンスに限らず色んなお芝居だったり、映画とかドラマもチャレンジしていきたいと思います。今回ミュージカルで初めてソロで歌うんですけど、いろんな経験をして、もっと色々発信していけたらいいなと思いますし、そういうワクワクするチャレンジをし続けられる場所にいたいなって思います。
―最後に、Oguriさんにとって成功とは?
自分が面白いと思えるチャレンジを、やりたいと思ったタイミングでやれる環境にいることが一番。常に自由っていうか、お金のことだったりいろんなことを気にせずに単純にワクワクするチャレンジを全力でできることかなと思います。今はまだ70%くらいですけど、100%でやれるようになれたらいいな。

2022年秋 s**t kingzの新作舞台 『HELLO ROOMIES!!!』開催
【出演者】s**t kingz(シットキングス)
◆東京 日程:2022年9月14日(水)~9月19日(月・祝) 会場:新国立劇場・中ホール
◆大阪 日程:2022年11月08日(火)~11月13日(日) 会場:森ノ宮ピロティホール
◆愛知 日程:2022年11月18日(金)~11月20日(日) 会場:日本特陶業市民会館 ビレッジホール
【チケット発売】 一般発売:2022年6月予定
【公演特設ページ】
https://helloroomies-stkgz.com/

SHE WOLF DINER
住所:東京都渋谷区宇田川町3−1 東武ホテル 1F
Tel: 03-6416-3363
営業時間:月~金、祝前日: 11:30~21:00 (料理L.O. 20:30 ドリンクL.O. 20:30)
土、日、祝日: 11:00~21:00 (料理L.O. 20:30 ドリンクL.O. 20:30)
https://www.instagram.com/she_wolf_diner/