HIGHFLYERS/#26 Vol.1 | Nov 2, 2017

「国民の叔母 清水ミチコのひとりジャンボリー」全国ツアーがスタート。定番レパートリーから話題のあの人まで、誰もが楽しめる構成に

Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka / Cover Image Design: Kenzi Gong

今回HIGHFLEYRSに登場するのは、タレントの清水ミチコさん。11月3日から全国12箇所を回るツアー「国民の叔母 清水ミチコのひとりジャンボリー」がスタートし、12月30日には武道館にて5回目となるライブ「国民の叔母 清水ミチコのひとりジャンボリー ~祝 武道館5回目スペシャル~」が開催されます。80年代にテレビ、ラジオでブレイクし、タレント活動やモノマネパフォーマンスのほか、映画やドラマに女優として出演。また、エッセイストとしても執筆活動を行うなど幅広い分野で才能を開花させ、第一線で活躍し続けていらっしゃいます。4回にわたるインタビューでは、今年のツアーのこと、お笑いに目覚めた幼少期のこと、音楽との繋がり、そしてチャンスや成功についてをお伝えします。第1回目はツアーにかける想いやモノマネ誕生秘話についてお聞きしました。また、モノマネする人をどうやって選んでいるかや、今年話題となったドラマ「定年女子」への出演など、女優としても活躍される清水さんに、モノマネと演技の違いや芸能界の世代交代の興味深いお話も伺いました。
PROFILE

タレント清水ミチコ

岐阜県高山市出身。学生時代よりラジオ『オールナイト・ニッポン』、雑誌『ビックリハウス』等に投稿。1983年、ラジオ番組の構成作家を始める。次第に出演機会も増え、翌年からはテレビCMの声のキャラクターを務め始める。1986年、渋谷ジァンジァンにて初ライブ。1987年、フジテレビ系『笑っていいとも!』レギュラーとして全国区デビューを果たす。また、同年12月発売『幸せの骨頂』でCDデビュー。翌1988年スタートの『夢で逢えたら』にはダウンタウン、ウッチャンナンチャン、野沢直子とともにレギュラー出演、「伊集院みどり」のキャラクターが大ブレイク。以後、独特のモノマネと上質な音楽パロディで注目され、テレビ、ラジオ、映画、エッセイ、CD制作等、幅広い分野で活躍中。毎年の武道館単独公演も恒例となっている。近著に酒井順子氏とのリレーエッセイ集『芸と能』(幻冬舎)、『顔マネ辞典』(宝島社)、CDに『趣味の演芸』(ソニーミュージック)、DVDに『私という他人』(ソニーミュージック)などがある。

CONTENTS

モノマネは、その人になりたい気持ちから始まる。桃井かおりや山口百恵になりきってその人の世界を表現することが幸せ

11月3日の神奈川・相模女子大学グリーンホールを皮切りに、「国民の叔母 清水ミチコのひとりジャンボリー』全国ツアーがスタートしますが、すでに準備は色々始まっているのでしょうか?

そうですね。今までに何回も観に来てくれている常連のお客さんはもちろんですけど、初めて観る方にも気に入っていただけるような、ベストなネタの構成にしようと思ってます。あのネタをもう一回リメイクしようかなとか、最近オイシイ人をどういう風に入れようとか、そういう話はしていますね。

最近オイシイと思う人はどなたですか?

小池百合子さんとか、政界の方も色々いますがまだやるかはわからない。できたらいいなぁと思っている段階です。天龍源一郎さんもやりますよ(笑)。私の場合、モノマネはその人を好きだな〜って思ったらできるんです。

小池百合子のモノマネをする清水ミチコ

昔ほど知名度の境界線がはっきりしていない昨今、モノマネの対象を、見る側が知ってるかどうかでウケが変わってくると思うのですがどうされていらっしゃいますか?

最近ユーミンさんのコンサートに行った平野レミさんに、「みっちゃんが誰のモノマネしてるのかやっとわかった!」って言われたんですよ。そういう風に「これだけ何十年とやっているのに、今まで知らなかったの?」ってことがある(笑)。あと、「青いお空が〜」っていうシャボン玉石鹸の歌をラジオでやってウケたから地方のライブでやったんですけど、そのコマーシャルは地方でやってないから全然ウケなかったんです。そういうことはちゃんとリサーチをしっかりやらないと笑ってもらえないですよね。

幅広いレパートリーがおありですが、モノマネする人を好きになることから入るのですか?

そう。でも、「こんなに好きなんです」って表現してもあんまり笑いは起きないから、ちょっと冷やかしたり加工したりしますけどね。

モノマネする人を決めるときは、普段テレビでご覧になったり、お会いしたりしてピンとくるのですか?

そうですね。でも本当のことを言うと実はモノマネをしたいんじゃなくて、その人になりたいっていう気持ちから入るんです。これはあんまり共感できる方がいないので、おそらく私の個性だと思うんですけど、誰かになってその人の世界を表現することが幸せなんですよね。小さい頃から桃井かおりさんや山口百恵さんが好きで、例えばテレビで彼女たちがインタビューされているのを観ていて、「あれ、随分顔が曇ったけどどういうことかな?」とか、「あの時の言い方は、インタビューの質問が嬉しくなかったからかな?」って考えたりしてましたね。

そこからどうやってモノマネに繋がっていくんですか?

そうやって「百恵ちゃん、百恵ちゃん」って思っていると、モノマネしたくなってくるんです。それで、一度自分の部屋で百恵ちゃんになってみて、納得できたら2、3人くらいの友達の前でやるようにしてました。自分の凄く大事な世界だから、ボロクソに言われるのは嫌なんですよ。サンクチュアリーだから(笑)。とにかく、「その人になりたい」っていうのと 「観た人に笑って欲しい」っていう二つの気持ちがありましたね。

今でもライブ終了後のアンケートなど、お客さんからの反応がとても楽しみだそうですが、印象深かった感想があれば教えてください。

今までで一番印象的だったのは、昔「渋谷ジァンジァン」という小劇場でもらった「お客さんは拍手をしたいものなので、拍手をさせてください」っていうアンケート。私はその頃まだデビューしたてで、自分のようなものに拍手をもらうなんて申し訳ないと思って、拍手が始まると「大丈夫です」って遠慮してたんですけど、それがお客さんにとってはかえって凄くストレスになっていたんですね。お客さんに拍手をたくさんさせて、そういう気分にさせないようにするのがプロになることだと学びました。

モノマネできる人に備わっている才能や資質があれば教えてください。

モノマネ芸人はあんまり自己主張がない人が多いですね。誰か別の人になりきって人を笑わせたい人って、自分の声で何かをしたいという欲が少ないような気がする。日本人は特にモノマネが好きみたいで、以前海外でやった時はキョトンとされたこともありました。

アメリカでもモノマネをやられたことがあるんですか?

アメリカでやってみたけど、私がモノマネする人のことを誰も知らないので、「猫踏んじゃった」をモーツァルトやバッハがやったらどうなるか、みたいなのを演奏したんですよね。演奏後に、司会者がお客さんにパフォーマンスはどうだったか聞いたら「東洋人なのにこんなに上手にピアノが弾けるなんてすごい」って言うんです。「そういうレベル?」って(笑)。

好評を博したNHKプレミアムドラマ「定年女子」では小学校の教頭役で出演されていましたが、女優の演技とモノマネの共通点はありますか?

難しいところですね。例えば、大竹しのぶさんがエディット・ピアフを演じると本当にエディット・ピアフになる、あれはやっぱりモノマネじゃないんですよね。そこの線引きって不思議でよくわからないですね。私が大竹さんになってドラマをやっても、「ふざけるな」っていうことになるし(笑)。お芝居って苦手意識があったので、今回ドラマをやるにあたってセミナーに通ってプロに教えてもらったんですよ。その先生には「どこまで行っても清水ミチコさんじゃないとダメです」って言われましたね。役になりきって自分がなくなって空虚な演技をする人もいるけどそれじゃダメで、大竹さんがどこまでも大竹しのぶであるように、私も清水ミチコでいることが大事なんだなって思いました。

清水さんに「定年」という言葉は関係ないと思いますが、芸能界にいらして世代交代を実感したことはありますか?

30年くらい前は、女芸人と言えば山田邦子さん、野沢直子さん、久本雅美さんくらいしかいなくて、芸人の楽屋は男女で分かれているから凄く寂しかったんですけど、今は女性だけで何十人といて性格の良い子達が多いから、今になって楽屋が楽しくなりましたね。芸人は、「私で笑って」っていうタイプの女性が多いから、性格が良くないと務まらないのかもしれないけど。

長くキャリアを積み重ねていき、若い頃には感じなかったこと、今の立場だから気がついたことなど、変化はありますか?

若い頃は自信をなくしすぎる傾向があったような気がします。ちょっとすべったり、軽くツッコまれたりするだけでしゅんとなることが多かったですね。自分はきつくツッコむくせに、人に言われたらすぐに傷つくなんて、自分て意外とプライド高いな〜って思いました。自覚もありましたけど、二十代の頃は挫折が早かったですね。

それは、経験を重ねて克服されたのですね。

あとはオバさんになって神経が太くなったのもあると思います(笑)。今は何を言われても全然平気ですね。

次回へ続く

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 国民の叔母 清水ミチコのひとりジャンボリー

「 国民の叔母 清水ミチコのひとりジャンボリー」

ツアースケジュール

2017年
  • 11月03日(金・祝) 神奈川/相模女子大学グリーンホール 17:00開場/17:30開演
  • 11月12日(日) 岡山/倉敷市芸文館 15:30開場/16:00開演
  • 11月21日(火) 鹿児島/宝山ホール 18:00開場/18:30開演
  • 11月26日(日) 新潟/りゅーとぴあ劇場 15:30開場/16:00開演
  • 12月01日(金) 広島/広島NTTクレドホール 18:00開場/18:30開演
  • 12月08日(金) 北海道/わくわくホリデーホール 18:00開場/18:30開演
  • 12月10日(日) 宮城/東京エレクトロンホール宮城 15:30開場/16:00開演
  • 12月16日(土) 大阪/大阪国際会議場 グランキューブ゙大阪メインホール 15:15開場/16:00開演
  • 12月22日(金) 沖縄/浦添市てだこホール 大ホール 18:30開場/19:00開演
  • 12月24日(日) 福岡/福岡市民会館 15:30開場/16:00開演
  • 12月26日(火) 愛知/名古屋市芸術創造センター 18:00開場/18:30開演
  • 12月27日(水) 静岡/静岡市民文化会館 中ホール 18:00開場/18:30開演

チケット/全席指定¥5,800円(税込)
詳しくは清水ミチコホームページ 4325.net まで。

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