銀座の新しいランドマーク「GINZA SIX」がいよいよオープン!同ビル内「GRAND CRU CAFÉ GINZA」にて、コーヒーハンター・川島良彰がハワイの新品種豆「MAMO」を世界初披露【レポート】

2017/04/19

松坂屋銀座店跡地に完成した複合商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」のプレス向け内覧会が4月14日に開催された。銀座6丁目の立地にちなんだという名を持つこの施設は、地下6階、地上13階の中に店舗やオフィスが入り、商業施設の面積は約47000㎡(14200坪)、出店数241店舗と銀座最大。江戸の庭園文化をコンセプトにした約4000㎡にも及ぶ屋上庭園や、人間国宝なども出演予定の地下3階の文化・交流施設「観世能楽堂」も注目されている。

GINZA SIX外観

また、4月20日のオープンに向けて、椎名林檎トータス松本とGINZA SIXがコラボレーションしたスペシャルムービーもテレビCMやWebで公開され、新たな銀座のアイコンとなるべく幻想的でラグジュアリーなGINZA SIXの魅力を世界に発信している。尚、このムービーの演出を手掛けたのは、映像ディレクターの児玉裕一。現在、HIGHFLYERS 2017年3月号で児玉のインタビューを公開している。

GINZA SIXの建築は、ニューヨーク近代美術館や豊田市美術館を手掛けた日本を代表する建築家・谷口吉生が、またインテリアデザインは日本を拠点に活動するフランス人デザイナー、キュリオシティ/グエナエル・ニコルが担当し、ストーリーのある上質な空間を見事に作りあげている。この施設の至る所にパブリックアートが展示されており、商業施設でショッピングや飲食を楽しむだけでなく、感性をも刺激するアートプログラムが用意されているのも魅力のひとつである。

施設中央に位置する大きな吹き抜け空間には、期間限定で草間彌生の新作インスタレーション「南瓜」が展示されている。また森美術館監修の常設展示、teamLabによる滝のデジタルインスタレーション「Universe of Water Particles on the living Wall」や、植物学者兼アーティストのパトリック・ブランによる「Living Canyon」にも注目したい。

草間彌生の新作インスタレーション「南瓜」。白地に赤いドットのカボチャ14個が吊り下げられている

[左]:teamLab「Universe of Water Particles on the living Wall」[右]:パトリック・ブラン「Living Canyon」(C) KOZO TAKAYAMA

商業施設の総店舗数は241。メインとなる中央通りに面する全長115mには、House of Dior、CELINE, SAINT LAURENT、Van Cleef & Arpels、VALENTINO、FENDIの6つの世界を代表する高級ブランドが旗艦店として軒を連ねるほか、どのフロアも世界のトレンドが体感出来るような最高のラインナップ。5階にあるライカストアでは、2016年9月号にHIGHFLYERSに出演した菅野敬一のブランド、エアロコンセプトライカのコラボレーション製品「ライカTL エアロコンセプト」が展示されていた。

この製品は、「ライカ GINZA SIX」オープン記念モデルとして限定5セットのみ受注生産されるもので、価格は175万円(税別)。航空機の部品に使われる板金加工技術を用いたアタッシュケースや名刺入れなどで知られるエアロコンセプトが、その技術を応用してカメラケースを製作した。ライカの歴史や哲学までをもケースに納めたような上品で独特な質感の黒色ケースは必見の価値あり。

長年ライカを愛用し、ライカの歴史も生みの親であるオスカー・バルナックの考え方も昔から尊敬していたという菅野。エアロコンセプトの鞄を閉じた時の音を作る際は、ライカのシャッター音と同じになるように半年の年月を費やし試行錯誤を繰り返したほどだ。菅野は、HIGHFLYERSのインタビューでもライカについて語っているので興味のある方は、是非一読していただきたい。

そして、次に我々が向かったのは最上階。通称“コーヒーハンター”として知られる株式会社Mi Cafeto代表の川島良彰が、新たな旗艦店「GRAND CRU CAFÉ GINZA/グラン クリュ カフェ ギンザ」をオープンしたのだ。川島は、静岡の焙煎業を営む両親の元に生まれ育ち、高校卒業と同時に単身エル サルバドルへ渡りコーヒー栽培を学び、その後もジャマイカ、ハワイ、インドネシアで農園開発を手掛けてきた。そんなコーヒー生産者を最も知る男、川島が銀座にオープンした、長年の経験の結晶とも言える最高級のカフェである。

落ち着きあるインテリアの中、バリスタの仕事を目の前で楽しめるカウンターチェアと銀座の街を一望できる窓際のテーブル席。熟練された技術を持つわずか数人のバリスタしかカウンター内には立ち入ることが許されておらず、まるで高級ワインをサロンで嗜むかのように世界の最高品質のコーヒーを超ラグジュアリーな空間で楽しめる、真のコーヒー愛好家のためのカフェとなっている。

[左上]:入り口 [右上][左下]:優雅な雰囲気の店内 [右下]:カウンターでスタッフが淹れたてのコーヒーを出してくれる

この日の注目イベントは、コーヒー新品種「MAMO」の世界初披露。「MAMO」は、「MA」を意味するマラゴジッペと「MO」を意味するモカの2つの品種を掛け合わせ、18年の歳月を経て誕生したハワイの豆でハワイ語では「子孫」という意味を持つ。マラゴジッペのちょっとピリッとするスパイシーな苦味と、モカの爽やかな甘味が見事にバランスよく主張し合い、独特の質感と心地良さを奏でている至極の一杯をいただいた。

もうひとつのお薦めは、川島が絶賛するグアテマラ、サン セバスティアン農園のブルボン種。ミューシュレージという果肉部分を残したまま精選されるセミウォッシュトで、ミルクのような甘さとシルクのような滑らかな舌触りが心地よい。ほかには、パナマ・コトワ農園 リオ クリスタル ゲイシャ バーガンディ ナチュラルや、エルサルバドル・モンテカルロス農園 クンプレ デ ボルカン パカマラなど、川島が選び抜いた最高級の14種類の銘柄のみを取扱っている。このカフェのために集めたというノリタケのビンテージのカップとソーサーの数々からも最高級のコーヒーにふさわしい風格を感じる。

[左]:今回、世界初披露となったMAMO [左]:サン セバスティアン農園のブルボン種

 ちなみにこのカフェでは、シャンパンボトルに入ったコーヒー豆をボトルごと購入するシステムとなっている。カフェですぐに飲みたい場合は、バリスタがその場でボトルを開封してハンドドリップで淹れてくれるし、飲みきれなかった残りのコーヒー豆は2週間お店でボトルキープ、もしくはテイクアウトが可能。価格は100gのハーフボトルが10000円(税別)から。 優雅な時が流れるGRAND CRU CAFÉ GINZAで、川島が世界中から選び抜いたコーヒーを堪能していただきたい。

コーヒー豆が入ったシャンパンボトル [左]:MAMO GREENWELL [右]:Mikly Bourbon San Sebastian

「すべてのコーヒーを美味しくしたい」という願いを抱き続け、「コーヒーのためにすべてやる」と覚悟を決めてさらに天職を突き進む川島のインタビューは、HIGHFLEYRSで5月11 日から隔週で全4回にわたって公開される。そちらも楽しみにしていただきたい。

 

児玉裕一と菅野敬一のロングインタビューはこちらより。

HIGHFLEYRS 2017年3月号「椎名林檎のMVや、カンヌなど世界3大広告賞総なめの「UNICLOCK」、さらにリオ五輪閉会式など、大活躍中の映像ディレクター・児玉裕一の夢は映画制作

HIGHFLEYRS 2016年9月号 「海外セレブも賞賛する日本の町工場から生まれた世界的クリエイター。エアロコンセプト創始者、職人・菅野敬一

 

Text: Kaya Takatsuna/Photo: Atsuko Tanaka