ON COME UP
#4 | Aug 13, 2015

世界のステージで活躍するEDM DJ界の新星、KSUKE

KSUKE

Text & Photo: Atsuko Tanaka / Photo Retouch: Toshiko Nagai

未来に向かって躍動する人たちをフィーチャーする“On Come Up”。第4回目のゲストは世界最高峰のEDMフェスとされているUltra Music Festivalや、日本最大規模のロック・フェス、FUJI ROCKの出演など、大舞台での活躍が目覚ましいDJ KSUKE。幼少期の古典ピアノや、学生時代のバンドでの経験を活かし、2011年にDJとしてキャリアをスタートした。以来、KSUKEの人気は瞬く間に急上昇し、現在では日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパやアジアの各国でその存在を知らしめている。世界のステージで活躍する新世代DJのKSUKEに自身に対して思うことや音楽業界に対して感じることを聞いてみた。
PROFILE
KSUKE

DJKSUKE

幼少期から長く育んだ古典ヒピアノ、海外留学で肌身についた色彩の世界、ベーシストとして青春をぶつけたバンドライフ、それらを経て2011年、名古屋でDJを始めた。ステージ上の彼は身体全体でサウンドを弾け鳴らすかの様に、ブース内を可憐に跳び上がる。KSUKEの登場は、SNSなどの噂により、あっという間に若者達を中心に全国へと広がった。国内有名DJのフロントアクトで実績を積み、DJスタートから2年も経たぬ間に海外アーティストのフロントアクト を多数任されるようになる。2014年6月、世界最大級のDJフェス、“ULTRA MUSIC FESTIVAL”にKSUKEが、新人では異例の大抜擢を果たす。その圧巻のパフォーマンスに会場のオーディエンスは勿論のこと、LIVE配信中継でプレビューしていた世界中のオーディエンスが熱狂した。2014年11月、ラスベガスの名門ビッグ・クラブ「Light Night Club」から、アジア人として初めてその舞台に立つことをオファーされ、それをきっかけにアメリカでの数々のオファーを獲得。2015年からKSUKEは活動拠点をアメリカに移し、先述のラスベガス「Light Night Club」を始め、「Beauty Bar」、LAの「W HOTEL」で活動し、「XS Nightclub」ではEDM界最重要DJのアヴィーチーと共演し、人気を博す。2015年3月には日本人として初の快挙となるULTRA MUSIC FESTIVAL の本場MIAMI(マイアミ)でWORLD WIDE STAGEの舞台に立つ。同年6月には「ULTRA KOREA(MAIN STAGE)」、 7月の「FUJI ROCK FESTIVAL」「ULTRA EUROPE(MAIN STAGE)」での出演も次々と決定するなど、2015年はKSUKEにとって、大きな転換期を迎えている。また、2015年3月25日にはWarner Music Japanより1st Albumをリリース、6月にはDIPLO率いる人気ユニットMajor Lazerの大ヒット曲 ”Lean On”のRemixをオフィシャルリリースし、全米のラジオでOAされる。 KSUKEの活動の舞台は更に大きく広い世界へと続いていく。 

DJ KSUKE

DJを始めたきっかけ

クラブでDJがお客さんを盛り上げている姿を見て、単純にカッコイイなと思った瞬間がきっかけです。

自分のスタイルを言葉で表すと?

いいと思ったものは取り入れるスタイル。

いつからそのスタイルに?きっかけはありましたか?

海外に行くようになって、聞く音楽の幅が広がってきてからですね。初めは自分の好きな音楽はこれだ!と決めつけていて聞かず嫌いも多かったのですが、今では幅広い音楽の中から良いと思ったものは自分なりにどんどん取り入れてます。

「良い」と思うものに共通することは何でしょうか?

良いと思うものには、直感的に「キタ!」と感じます。良いと思うポイントは様々ですが、例えば良い曲に感じる共通点を挙げるとすると“今までの自分の発想には無いけど、すごく好みで新鮮”なものが多いです。「見つけた!」という感じがして、自分のDJスタイルが広がっていく感じがします。

オリジナルでいるために気をつけていることは?

何かから影響を受けた時、自分なりの解釈でそれを取り入れ、積み重ねていくことによりKSUKEというオリジナルでいれると思います。

最近気付いた自分に足りないこととは?

DJを始めてから、どうしても聞く音楽が電子音中心のダンスミュージックに偏りがちなんですが、先日、Hello Sleepwalkersという僕の1stアルバムにも参加してもらったバンドのライブを見に行った際に、かなりの刺激を受け、もっと色々な音楽を肌で感じなきゃダメだなと思いました。DJは基本的に既存の様々な楽曲をセレクト、ミックス、エフェクトなどでお客さんを盛り上げるのに対し、バンドのライブ演奏は、お客さんを盛り上げるという目的は一緒でも、生演奏やMCなど実際にその場で音楽、空間を作って盛り上げるという臨場感の違いに刺激を受けました。

DJの仕事を始めて学んだことのうち、学校教育では教えられなかった大事なことはありますか?

音楽を通して出会う人とのつながりの大切さですね。人とのコミュニケーションはあまり得意ではないのですが、どうしてもクラブで活動するとなると音楽以外にも会話というコミュニケーションは必要不可欠です。コミュニケーションを取ることで音楽好きの友人がどんどん増えていき、今の仕事ができているという事もあり、人とのつながりは本当に大切だと常に思ってます。

ホームタウンである名古屋はどんな意味を持ちますか?

僕のDJキャリアの原点であり、いつもで応援してくれる力の源ですね。

あなたにとって「個性」とは何ですか?

様々な影響を受け、常に変化し続ける自分自身そのものだと思います。

これだけは誰にも負けないと自信を持って言えることは?

その場を楽しもう、楽しませようという思いは誰にも負けないです。10年後20年後も楽しく音楽をやっているだろうなという根拠の無い自信がありますね(笑)。

憧れの人や尊敬している人は誰ですか?その理由も教えて下さい。

ジャンル問わず、頑張って自分を表現している人に出会うたびに尊敬します。また、両親は共働きですが、毎月のように二人でいろんな場所を旅行しているみたいで、いくつになっても好きなことを探し続け、人生を楽しんでいる姿にとても尊敬します。

好きな歌、映画や本などで一番影響を受けたものは?

正直なところ、一番というものが決められないほど沢山の音楽や映画から影響を受けてます。中でもFACEBOOK創設者のマーク・ザッカーバーグらを描いた「ソーシャル・ネットワーク」は最も好きな作品の一つです。単純に物語のテンポが良く、作品に使われている楽曲も素晴らしいので、何度見ても楽しいです。自ら何かを始め、成功させた人物を描いた作品であるだけに、学ぶ点が多いところも見どころです。

他人が思う自分の像と、実際の自分自身との差があると感じる部分を教えて下さい。

DJというとキラキラした私生活を送っていそうですが、僕の実際の私生活はDJ練習、楽曲制作などで家やスタジオに籠りきりになることが多いので、キラキラした生活とはかなり間逆かもしれません(笑)。

一気に視界が開けた瞬間や、自分が成長したと実感した出来事があったら教えて下さい。又、その時の感想も教えて下さい。

初めてULTRA KOREA 2014というワールドワイドな大舞台に立ってDJした時は、正直緊張して、プレイ中の記憶があまりなかったです。ULTRA KOREA は開催初年度からプライベートで遊びに行っていたくらい好きなフェスだったので、“まさか自分があの舞台に!”という嬉しさと緊張で震えてました(笑)。ですが、今ではあの時のDJプレイを思い返し、感動したり、反省したり、次に活かすことが出来るようになったと思います。

あなたにとって、メジャーになるというのはどういうことですか?

一人でも多くの人が楽しめるエンターテイメントを提供することだと思います。

では、どういった状態になったら、メジャーと言えるでしょうか?

一人でも多くの人がKSUKEに興味を持ってくれて、世界中のフェスやナイトクラブでDJしている時には、すでにメジャーになっていると思います。自分の楽曲が世界中でプレイされていたら、もうその時は間違いなくメジャーですね!

今後、音楽業界やDJの存在はどのように変化していくと思いますか?

今、ネットストリーミング配信などにより、音楽を気軽に好きなだけ聞けるようになり、世の中が音楽であふれています。誰でも気軽に音楽を聞けるようになったからこそ、各DJが個性を活かした選曲で、音楽を発信する重要な存在になっています。今後は今以上にそういったDJがタレントとして扱われるような存在になるのではと思います。

海外の音楽業界と比べて、日本の音楽業界がこうなったらいいなと思う点は何かありますか?

誰もが口ずさめるような曲がもっと増えて、クラブやフェスなど、みんなが一体になれるような場面がもっと増えたらいいなと思います。

海外では誰もが口ずさめるような曲をどの様にして増やしているか、ご存知のことがあれば教えてください。

それはヒット曲を出すことにつながるので、分かったら苦労しないです(笑)。でもみんなの耳に残ったり、心に響くような歌詞、フレーズを作ることが大事だとは思います。

自分のやっていることで、日本や世界が変えれるとしたら、どんなところだと思いますか?

日本人として世界的ヒット曲を出せたら、その時何かが変わると思います。今までの世界的ヒット曲はやはり英語詞が多いと思いますが、音楽に国境はないという言葉があるように、それがインストであろうが日本語詞であろうが、世界的ヒット曲が生まれる可能性はあると思います。

3年後、5年後の自分はどうなっていると思いますか?そして、どうしたらそれになれますか?

DJ、音楽プロデューサーとして、様々な世界的フェスにヘッドライナーとして参加して最前線で活動し、多方面で活躍していると思います。夢を常に描きつづけ、今何をしたらいいかを考え、一日一日を大切にしていれば自然とそうなっていると思います。

KSUKE オフィシャルInfo