18回目を迎えた『GREENROOM FESTIVALʼ23』が大盛況のうちに終了!総勢38組の豪華アーティストの奏でる音楽と、サーフカルチャーの見事な融合に酔いしれた2日間 [前編・ライブレポート]

2023/06/14

サーフカルチャー、ビーチカルチャーをルーツに持つ、音楽とアートのカルチャーフェスティバル『GREENROOM FESTIVALʼ23』が2023年5月27日(土)・28日(日) 横浜赤レンガ地区野外特設会場で開催された。「Good Wave」「Blue Sky」「Red Brick 」「PORT LOUNGE」の4ステージで繰り広げられる音楽ライブには、3年ぶりに9組の海外アーティストも来日、総勢38組の豪華アーティストが華やかに横浜の昼夜を彩った。今年はコロナもほぼ終息したため声出しもOKとなり、マスクを外して複数で訪れる来場者が目立った。また、「ART CONTAINER」「SURF MARKET」「ART GALLERY」「FILM」「FOOD AREA」などサーフカルチャーを存分に堪能できるエリアも充実しており、ビーチファッションを纏って会場でのんびり楽しむ姿も。2日目は過去最高の来場者数を記録し、2日間で12万人を超える来場者と、3年ぶりの大歓声に会場が一体となった大イベントは盛大に幕を下ろした。HIGHFLYERSは、快晴で真夏さながらの強い日差しが会場を照らした、2023年5月27日(土)のレポをお届けする。

正午からスタートしたライブ、トップバッターで登場したのはTENDRE。ブルーの開襟シャツにパンツ姿の爽やかな出立ちで本人が登場すると歓声が湧き上がる。1曲目の『LIFE』が始まると、すでに観客は歓声をあげてクラップするなど、かなりの盛り上がりを見せる。2曲目の『FANTASY』では、キーボードから離れてマイクを持ってより観客エリアに近づいて歌い、盛り上がりがすでにマックスに。3曲目に『DRAMA』が続き、間奏では「TENDREです。GREENROOMへようこそ。私もまた戻ってこれて嬉しいです。改めてよろしくお願いします」と落ち着いて挨拶をし、バンドメンバーを紹介した。「今日はいっぱいいるから、最後までいろんな音楽吸収してください」と言って、ひとたび表情を変え、『CLOUD』をゆったり奏でて観客を魅了。続く『DOCUMENT』ではアップビートに乗って観客はポップに一緒に歌い踊ったあと、『ENDLESS feat.SIRUP』のイントロが流れると、突如SIRUPが下手から登場。観客の大歓声が湧く。突然のステージ上の2人の共演を、観客は息を呑んで静かに聴き入った。GREENROOMでの共演は初めてだと語る2人。ハグをし合って、最後まで熱唱した。「皆さん楽しんでますか?何回も出させてもらって、みんなも声出せて、幸せな状況でやらせてもらえて本当にありがとうございます。横浜の風を感じてゆっくり話したい」と言うと、『hanashi』が始まる。最後は『RIDE』で観客と再び盛り上がりステージを締めくくった。

BLUE SKYステージに次に登場したのは、SOIL & “PIMP” SESSIONS。それぞれが華やかで煌びやかな衣装を纏い、激しくも温かく、明るいステージを披露した。1曲目は『Suffocation』からスタート。派手に盛り上がりつつもしっかりとしたサウンドを届けてくれる。そして『閃く刃』、『初恋の悪魔』が力強く激しく続き、すでに観客のノリもマックスに。「GREENROOM!今日もめちゃめちゃ気持ちいい空気をありがとうございます!最後まで声出してついてきてくれよ!作っていこうぜ!」とビール片手に社長が叫ぶと、大きな歓声で観客が応えて、ピアノソロから始まる『Meiji-Jingumae ‘Harajuku’』に。その後、海風にドラムが心地よく鳴り響く『Riverflow』が続く。「こうしてみんなで声出して一緒に踊れるフェスって久しぶり。この2年間守ってくれたGREENROOMの制作、スタッフ、関係者に大きな拍手を。そしてこうやって待ち望んで文化を守ってくれたここに集まってくれたお客さんに大きな拍手を。ありがとうございます!」と感慨深く述べた。そして観客にクラップを求めると、「もう何も言うことはないから、好きに歌って踊ってついてきてください!」と言って、『POP KORN』が始まり、観客とラララの大合唱が始まると、途中から『Fantastic Planet』になってさらに盛り上がる。次の『I’LL CLOSE MY EYES』では再びそれぞれがジャジーなサウンドを響かせて、観客を技術でも魅了。バンドメンバーの紹介をしてお礼を述べると、観客との掛け合いをしながら代表曲である『SUMMER GODDESS』、そして『SATSURIKU ニューウェイブ』でもう一度盛り上げて、ステージを終えた。

昨年の12月にファーストアルバム『Inner Ocean』を出し、ワンマンライブのチケットは前売りの段階でソールドアウトという人気の若手アーティストさらさ。黒のトップスと、白い羽にスパンコールがあしらわれたロングスカートの衣裳で、レッドブリックステージに現れると観客からは声援が。まずは『朝』をしっとりと歌って観客の心をつかみ、次にギターを持ち『ネイルの島』を聴かせてくれた。そしてギターを置き、バンドのサックスやギターの音色に合わせて気持ち良さそうにダンスしながら『jjj』を歌う。それから「みんな踊れる?」と観客に声をかけ『退屈』を、再びギターを手にして自己紹介をし『太陽が昇るまで』を歌った。その後はギターを下ろして『Virgo』、再びギターを手に『グレーゾーン』を心地良い風に合わせて歌う。観客の大きな拍手の後、「グリーンルームはずっと出たかったイベント。実は高校生の時から、知り合いがこのフェスに出していたフードトラックを手伝いに来ていて、休憩時間に好きなアーティストのライブを観ていた。特にレッドブリックに出たいと思っていたから、こうして実現してとても嬉しい。みんな来てくれて本当に感謝している」と語ってくれた。そして次の曲『Amber』を、最後に「グリーンルームは本当に最高。また戻って来れるように頑張るから今後もお付き合いください」と言って『火をつけて』を歌った。

BLUE SKY 3組目は、3年前の来日予定が中止になってから、今回待望の初来日となったOscar Jeromeが登場。アジアツアーの最後に日本に立ち寄ったOscarは、白シャツにタイというややフォーマルな衣装で現れた。ようやく迎えたGREENROOMのステージで代表曲を7曲熱唱。ここ数年でサウスロンドンのジャズシーンから人気に火がついたOscarだが、すでに日本でも認知度をあげて人気になりつつある。1曲目『Sun For Someone』から熱唱して、ギターソロやセッションも全力で披露し、観客を痺れさせた。曲の合間に会場のあちこちから歓声があがる。「こんにちは!GREENROOM!」と叫ぶと、すぐに2曲目の『Feet Down South』へ。会場を盛り上げるというよりは、自身の演奏をしっかりと着実に聴かせ、それを観客が静かに聴き入るという空気が会場全体に漂う。続く最新アルバムのタイトル曲『The Spoon』、『Berlin 1』ではさらにOscar独特の音楽性を発揮。しっかりとユニークな世界観を示して曲を終えて、メンバー紹介。その後『Give Back What You Stole From Me』のイントロが流れ始めると、会場からは再び歓声が響く。長めのイントロが続き、会場も徐々に盛り上がっていく。小刻みで軽快なビートに合わせ、海風を感じながら、それぞれが心地よくリズムに乗っている姿が印象的で、横浜が一瞬、サウスロンドンのジャズシーンに移り変わったようだった。曲が終わってもしばらく歓声は鳴り止まない。そして『Do You Really』を歌い「最後まで聴いてくれてありがとう!」と言うと、ラストは『No Need』で再び盛り上がり、幕を閉じた。素晴らしいショーを繰り広げたOscarに、ライブ直前にインタビューした様子も後編で掲載するので、ぜひお読みいただきたい。

続いてBlue Skyステージに現れたのはSIRUP。ブルーのヘアーに、グリーンのタイダイのメッシュニットとライトカラーのデニムという、まさにグリーンルームにぴったりなスタイルで軽やかに登場。観客の声援のもと、『Superpower』を、そして大きな手拍子と共に、時にはジャンプしながら『Pool』、『MAIGO』を歌う。続いてしっとりと『LOOP』を歌いあげ た後、TENDREがステージに登場し、歓声が起こる中二人で『PLAY』を披露。ステージを行ったり来たりしながら楽しむ様子に観客も喜んでいた。それから「Greenroomサイコー!みんなのバイブスが表情から感じられる。音楽を一緒に楽しんでもらいたい」と言い、マイクスタンドを握って『スピード上げて』を感情込めてセクシーに歌う。次に『もったいない』、『MY BAD』をダンスしながら、笑顔でみんなに言い聞かせるように歌い、「こういう時間をみんなと過ごせることが嬉しい。一緒にパワーをシェアしよう。みんな、声を聴かせて!」と、観客とのコール&レスポンスを楽しみながら『SWIM』を、最高の盛り上がりの中、「そのまま行ける?」と『Do Well』、そして最後の曲『See You Again』を歌い、観客が嬉しそうに、時には涙ぐんで歌う姿を見て、SIRUP本人も感極まった様子だった。

他にも、Good WaveやPORT LOUNGEなど、それぞれのステージでDragon AshやUA、The BONEZなど人気アーティストのライブが行われ、それぞれが名曲やヒット曲を歌い会場を沸かせ、1日目は幕を閉じた。

続いて、後編ではライブ前に行ったOscar Jeromeのインタビューをお届けする。

 

Text: Kaya Takatsuna (一部ライブレポートAtsuko Tanaka)/ Photo: Atsuko Tanaka(一部オフィシャル写真使用)