「Local Green Festival」出演のTENDREが、環境のために日々心がけていること。生まれ育った横浜での想い出や、音楽との関わり、そして今後の夢について【 インタビュー&ライブレポート】

2019/10/02

8月31日と9月1日に横浜赤レンガ倉庫で行われた「Local Green Festival(ローカル・グリーン・フェスティバル)」。「Local(地元)のGreen(緑)を大切にしよう」をコンセプトに掲げているように、未来に綺麗な地球を残すために持続可能な活動を目指す一環として昨年初めて行われ、今年で2回目の開催となった。フェスのレポートと、SIRUPのインタビューはこちらでチェックしてほしい。今回は、TENDRE をインタビューとライブレポートをお届けする。

夢は湖のほとりにスタジオを作ること。より良い環境でいいものが作れて、そこに家族やスタッフを呼べたらすごく楽しいだろうなと思う

―Local Green Festivalにはどのような印象を持っていますか?

今年の5月に出演させてもらったGreenroom Festivalの時の雰囲気に近いけれど、夏とはまた違った、秋の気持ちいい風が増してきた時期に演奏できるのはすごく良いし、 秋の楽しみも感じられるようなフェスなんじゃないかなという印象を抱いてます。

―TENDREさんは横浜出身ということですが、この場所に何か思い出はありますか?

高校が中華街の入り口にあって、よく学校帰りに友達と赤レンガや大桟橋を遊びまわってたので、青春の思い出はすごくあります。だからその分、ここで演奏できるのはめちゃくちゃ嬉しいと感じてます。

―音楽的なバックグランドを少しお聞きしたいです。ピアノを習っていらっしゃったそうですが、一番大きな影響を受けたアーティストや曲を挙げるとしたら?

僕の母はジャズシンガーで、父はジャズのベーシストなんですが、両親が家で一番聴いていた70年代後半から80年代にかけてのソウルミュージックやR&Bが自分の中に一番強く残っています。影響をすごく受けてるかはわからないですけど、スティービー・ワンダーがよく流れていたので 、聴いて安心するのはやっぱりスティービーなのかなと思います。

―スティービー・ワンダーの一番好きな曲はなんですか?

Overjoyedが一番好きですね。

―最近気になっているアーティストやよく聴いているものはありますか?

本当にいっぱいいるんですけど、特に聴いてるのはMac Ayres(マック・エアーズ)です。彼は良い声をしていて、すごく好きなんです。

―このフェスのテーマは“Sustainable Life”「街を綺麗にすると海も山も綺麗になる」ですが、TENDREさんが自然環境に対して、普段から心がけていることは何かありますか?

個人的な性格かもしれないですけど、あまりゴミを溜めたくないと言うか、自宅含め、今日いるフェスの現場とかでも、ゴミの仕分けもなんだかんだすごく大事なわけじゃないですか。それを常々できてるかどうかは定かではないですけど、できる時はなるべく意識してちゃんと分別するべきだと思います。その辺にものが捨ててあるということ自体良いことではないから、目につくものはその場で捨てるとか行動に移すっていうのは大事なのかなと思ってます。

―ところで、TENDREさんは最近さらに人気度が増したと思いますが、ご自身で実感することはありませんか?

さっき会場にいる知り合いに招待状を渡しに行こうと思ったら、声をかけてくださる方が思ったより多くてびっくりしました。

ー9月半ばに行われたSIRUPさんのリキッドルームでのライブに、途中で登場されたのを拝見しました。すごく楽しそうでしたね。

歓声がすごかったですね。SIRUPとは、改名してから活動するタイミングが一緒だったり、立場が色々似てたというのもあって。歳が近いのもありますし、お互いを高め合って、いいリスペクトを持っていられる関係なのかなと思います。

―それでは、TENDREさんにとってチャンスとはなんですか?

一番輝かしい瞬間じゃないですか。チャンスがやってくる時を見つけられるってすごいいいことだなと思うんです。チャンスというものがあって、それを手にした時がもちろん一番素晴らしい瞬間だと思うんですけど、例えば何かを発見できたり、こういうことをやっていいんだなって、いろんなチャンスを見つけながら普段音楽を作ることが出来ているので。チャンスってずっと周り回ってくるものではないですけど、だからこそ見逃しちゃいけないと思うし、それを見つけられた瞬間に自分の目が輝く瞬間があります。

―最近具体的にこれを見つけられたとか、目がキラッとした瞬間ってあります?

これからのツアーとか来年のいろんなライブを考える時に、こういうパフォーマンスをしたら面白そうだなっていうのが自分の中にあるんですけど、やってみたいことがひらめいたり、アイデアが出たりすることには恵まれているので、実行に向けてすごく楽しみです。

―それでは、TENDREさんにとって成功とはなんですか?

一生成功なんてわからないと思います。今も成功かどうかって聞かれたら、成功というよりかは順調と言うのかな。順調のまま、最後まで向かっていければそれが一番幸せだし、もし成功って言うとしても、そこにとどまる成功じゃなくて、ちゃんと次に向けられた成功を見出していければいいと思ってます。

―最後に、まだ叶ってない夢を一つ挙げるとしたら?

湖のほとりにスタジオを作ることです。湖を調べるのが最近すごく好きで、最初は普通に旅行で行きたいなと思っていたんですけど、自分が心身ともに落ち着ける環境で作業をできるスペースが一個作れたらいいなと思って。それは湖の側じゃなくても、国内外どこでもいいんですけど、制作自体はずっと続けていくものなんで、より良い環境でいいものを作って、そこに家族やともだちのミュージシャン、スタッフも呼べたらすごく楽しいだろうなと思います。

 

以下はライブレポート。

暗くなりかけた頃、SOL STAGE に登場したTENDRE。昨年のアルバム「Not in Almighty」収録曲を中心にパフォーマンスを繰り広げた。キーボードのイントロから、2017年リリースのEP 「Red Focus」収録曲「DRAMA」が始まると、会場中からは拍手が。軽快に足でリズムを取りながら心地よく奏でるサウンドが続く。 「楽しくいきましょう!よろしくお願いします」と言い、挨拶の後は「Sign」へ。メンバー紹介の後、「NEED」、「Night & Day」、サックスの音色が染み入った後は、「KAMERA」が続く。

「今日は最高な1日になるはずの権化」と言って笑いを取ると、「DOCUMENT」、「hanashi」、「RIDE」を披露。日の落ちた後、海風を感じながら、軽快に爽やかに、そしてちょっぴり切ない気持ちにさせてくれた。

 

Interview & Live Report: Kaya Takatsuna / Photo & Text: Atsuko Tanaka