富士フイルムのスキンケアブランド「ASTALIFT」に新展開。「美の覚醒」がテーマの豪華ローンチパーティーを堪能【レポート】

2017/09/07

今年10周年を迎えた「ASTALIFT(アスタリフト)」は、ブランドに新しい風を吹き込むべく新展開のプレステージ(最上位)シリーズ「ASTALIFT IN-FOCUS(アスタリスト イン・フォーカス)」を発表。その第一弾として「アスタリスト イン・フォーカス セルアクティブセラム」が2017年9月1日に新発売されることを記念し、ローンチイベントが8月31日六本木ミッドタウンにて盛大に行われた。

上段左、中:会場入り口 上段右:会場の奥に設置されたラボでは実演を見せてくれた 下段左:中央に設置された中里デザインのドレス 下段右:フォトブースで写真を撮る来場者たち

富士フイルムが2007年に化粧品業界に参入し、エイジングケアを目的としたスキンケアブランド「アスタリフト」を発表したことは、当時、化粧品業界だけでなく消費者である私たちにも衝撃的なインパクトだった。長年に渡り写真分野で培った技術を応用したこの機能性化粧品シリーズは、瞬く間に大ヒットし、年商100億円を超える一大ビジネスに発展。現在は日本国内にとどまらず、他のアジア諸国にも販路を広げるなどしてブランドの存在価値を高め続けている。

新製品「アスタリスト イン・フォーカス セルアクティブセラム」は、言うならば化粧品に再生医療の技術を投入した革新的美容液。製品に含まれる「ナノアスタキサンチン CP+」や、ナノボスウェリン酸を含む「ナノセルアクティブ」などの成分と、「イオンセンシング」という美容成分入りのオイルを微細な粒子にして高密度に配合する処方技術によって輝きとハリに満ちた美肌に導いてくれるというものだ。

アスタリスト イン・フォーカス セルアクティブセラム。30mlで価格は12000円

実際にオレンジ色のジェル状美容液を肌に乗せると、肌表面の微量の塩分に反応して溶け出し液状に変化する。その後、肌と一体化するようにスーッと浸透していき、まるでクリームをつけた後のようなしっとりとした感触になった。爽やかなベルガモットとローズジャスミン、色気のあるムスク、ウッディ、アンバーなどをブレンドした女性らしい香りも気品と柔らかさを感じさせてくれる。

この画期的商品のローンチイベントでは、アスタリストが掲げる「世の中の女性を輝かせたい」という明確なビジョンと確実な研究エビデンスに感銘を受けた、世界的アーティストYUIMA NAKAZATO(中里唯馬)がイベントを監修、『サイエンスx生命力』をテーマに、能x現代アート、DJによる音楽、そして食が融合し、一夜限りの世界に一つだけの美しい世界を作り上げていった。

中里唯馬は、ファッションデザイナーとして2009年に自身のレーベル『YUIMA NAKAZATO』を立ち上げ、2016年には、日本人としては森英恵以来12年ぶりとなるオートクチュールコレクションの正式ゲストメンバーに選出される。それによってモード界で一躍脚光を浴び、その後も継続的にパリでコレクションを発表などして、テクノロジーとクラフトマンシップを融合させた革新的作品で次世代の道を切り開いている若手の逸材である。

中里唯馬

会場中央には、中里がデザインしたロングドレスが展示され、その周りを天井から吊るされたいくつもの新製品のボトルが囲んでいる。まるでひとつのアート作品のように完成され、美しくきらびやかに輝くその空間は、パーティに出席した誰もが一瞬で目を奪われる。

「凛とした女性のたたずまいと、肌本来が持つ神秘的な生命力と美しさを表現した」というボトルには、アスタリストのブランドカラーである赤を取り入れ、また、フォルムに施されたカッティングが光を受けた瞬間に赤を幾重にも増幅させて複雑に変化するなど、細部にまでこだわりをみせた。

会場中央に設置されたロングドレスとボトル

そして、『美の覚醒』をテーマとする今回のイベントに花を添えるのが、世界で活躍するアーティストたち。パーティが始まってほどなくして奥のステージでは、能アーティストの青木涼子によるパフォーマンス「Beauty Awakening(ビューティー・アウェイクニング)」が始まった。わずか5分間の中で、完全な静寂の中から羽衣を身にまとった天女が現れ、次第に覚醒し、天に昇っていくまでの様子を表現する。

「アスタリストは日本独自のブランドであり、匠の技であり、サイエンステクノロジーという新しい分野を今後世界に向けて発信していく存在なので、日本の伝統芸能とコラボレーションして何かを生み出したいと思っていました。青木涼子さんは伝統的なところも重んじつつ、実験的な試みも柔軟に取り入れる精神をお持ちなので、この新製品を披露するイベントにぴったりだと感じました」と中里は青木を抜擢した理由を語った。

純白の舞台にプロジェクションマッピングで表現された細胞のような模様が動き出し、次第に野外のような自然の風景が写し出されると、中里のデザインした羽衣を身に纏った青木が登場。映像が次々変化していくなかで美しい天女(青木)が覚醒し昇天していく。音楽は小出雅子が担当。現代音楽の中に伝統的な青木の声を取り入れるという革新的な試みにも挑んだ。

青木のパフォーマンス

「衣装は中里さんと事前にじっくり話し合いを重ねて完成しました。アスタリフトのメインビジュアルに作られたドレスと同じ素材が使われていて、シルエットは能装束のようですが、中はドレスになっていて実は軽くてわりと動きやすいんです」と青木。中里のデザインした羽衣は、コンフェッティの素材が動くたびにざまざまな色に変化して観るものをうっとりとさせてくれる。

中里がデザインした衣装。シルエットが能装束のようになっている

また、イベント会場を囲むようにシェフカウンターがあちこちに置かれ、高澤義明シェフによる「サイエンス」と「生命力」をテーマにした斬新なパーティーフードも提供された。

ナノテクノロジーをイメージした「野菜パフェ」は、発酵したパルメザンチーズの上にケールが添えられているし、「弾けるコラーゲン」は、スープの中央に大きなスッポンで作られたコラーゲンボールが入っている。他にも、美容成分アスタキサンチンを多く含むサーモンとイクラをマリネにし、シトロンキャビアとデンプンの薄いフィルムを添えた「光り輝く美容成分」や、牛肉とキノコの天ぷらにサマートリュフを加え、その上から生命力溢れる豊かな香りとして酢橘のフォームを添えた「湧き上がる香り」の他、デザート「活性シャインマスカット」は、シャインマスカットの内側の水分に炭酸を加えて細胞の活性化をイメージしている。美に作用する高級食材をふんだんに使用した五感を刺激する高澤シェフのクリエイティビティは、新製品の存在価値をより高みへ導いていく素晴らしいものだった。

高澤義明シェフによる「サイエンス」と「生命力」をテーマにしたフード

その後はEITAによるDJ、REATMOによるヒューマンビートボックスが会場を盛り上げ、盛大のうちに幕を閉じた。イベントを終えた中里は、「富士フイルムの掲げた「サイエンス」と「生命力」というテーマに共感してからの半年間、想像力を駆使してクリエーションを緻密に積み上げてきました。これまではマテリアルの開発の部分をメインにやってきたのですが、このイベントを通していろいろな方に見て知っていただけたことで、可能性がさらに広がった気がしています。今後も、エンターテイメントや再生医療など異業種とのコラボレーションなどを続けることで、ファッション業界にも新たな風を運び、ファッションの未来を作っていきたい」と語った。今後のさらなる活躍に期待したい。

中里と青木

 

ON COME UP 2017年4月号 青木涼子の記事はこちらより

新ジャンル「能×現代音楽」を追求し、世界的オペラ監督のジェラール・モルティエに見初められ、海外のオペラ作品にも出演

 

Text: Kaya Takatsuna/Photo: Atsuko Tanaka