2年ぶりに通常規模で開催したGREEN ROOM FESTIVAL。国内の人気アーティストが横浜に集結。来場者とのインタラクティブで濃密なライブを堪能した2日間

2022/06/14

快晴に恵まれた2日間、今年で17回目となるGREENROOM FESTIVALが横浜赤レンガ地区野外特設会場で盛大に開催された。コロナ禍で延期に延期が続き、規制ばかりだった2年間だったが、ようやく日常も戻りつつあり、予定通りに開催された今回。GREENROOM FESTIVALオーガナイザーの釜萢直起氏も、ほっとした様子で取材に答えてくださった。

「この規模でできるのは、2019年ぶりです。でも開催できなかった期間も、実際は延期を繰り返しながら一度も止まらずにコロナ対策を勉強しながら準備していたので、ずっと走って繋いできた感じです。ようやくちゃんとお客さんとアーティストがコミュニケーションできる時が来ました。アーティストもこの2年、ずっと千本ノックしてる感じだったから、ようやくという気持ちでしょうし、アーティストみんなの顔が明らかに違います。それを見てると感動しますね。イベント業界もアーティストサイドもみんな、覚悟が決まった感じです」

GREENROOM FESTIVALオーガナイザーの釜萢直起氏

会場には「Good Wave」「Blue Sky」「Port Lounge」の3ステージあり、20組以上のアーティストが出演。1日目は、 Def Tech 、Dragon Ash 、 KICK THE CAN CREW 、LOVEPSYCHEDELICO 、SIRUP 、TAIKING(Suchmos) 、 UA 、優里など、2日目は、 Chara、KREVA 、Kroi 、 Nulbarich 、 SUPER BEAVER 、TENDRE 、Vaundyなど豪華アーティストのパフォーマンスを堪能できた他、映画の上映や、アートの展示も同時に行われた。HIGHFLYERSは2日目のレポートをお届けする。

日が燦々と降りそそぐ午後のGood Wave stageに登場したのは、Vaundy 。「不可幸力」からスタート。ビートに合わせて独特なステップやダンスを繰り返しながら、圧倒的な歌唱力で観衆をあっという間に世界に引き込んだ。「踊り子」 「napori 」「恋風邪にのせて」 と続き、milet x Aimer x 幾田りらに提供した楽曲のセルフカバー「おもかげ 」、そして「しわあわせ」では盛り上がりは最高潮に。 「裸の勇者 」、「東京フラッシュ 」、「花占い」と続き、 ラストは「怪獣の花唄 」。MCはほどほどに、時に後ろを振り返ってバンドメンバーと共にビートを刻みながら、時に舞台の上手から下手まで大きく動いて、全方位の観客を魅了させながら、次々と注目曲を演奏していった。入場できなかったファンが、会場の外に溢れるほどかけつけ、ステージからもれる音を聞き逃すまいと耳をそば立てている様子が印象的で、今のVaundyの人気の高さを象徴していた。

Vaundy ©️ GREEN ROOM FESTIVAL

次にGood Wave stageに登場したのはChara。イントロのコーラスとシンセの音が会場中に響きわたると、オレンジカラーのヘアスタイルに、白のワンピースという華やかな出立ちでステージ上手から登場し、「Junior  Sweet」、「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」を披露。間奏では、会場でカップルを見つけながら、恋にまつわる歌の話を少ししたのち、後半はアップテンポになって盛り上がった。次の「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」が始まると、先ほどの盛り上がりとは一転して、会場は静まり返り、名曲に聴き入った。曲が終わると会場からは自然に拍手が湧き上がる。次に未発表の新曲を披露。そして「Cat」、「ミルク」と続き、ラストの「やさしい気持ち」では、会場じゅうがいっそうの盛り上がりを見せた。

Chara ©️ GREEN ROOM FESTIVAL

向かい合ったステージBlue SkyにてKroiの演奏の後、Good Wave stageに登場したのは、前日のKICK THE CAN CREWに続いて2日連続出演のKREVA。「Finally」や「変えられるのは未来だけ」、「Fall in Love Again」などを続けて熱唱。ファンの大きな声援に「俺、こんな人気あったっけ?」と嬉しそうな表情を見せた。「ひとりじゃないのよ feat.SONOMI 」では、SONOMIと二人で息の合ったハーモニーを披露。そして「こんなに楽しいことがあるから続けていこうぜ人生を」と言って、「人生」やヒットソング「イッサイガッサイ〜2019 Ver.〜」 、「C’mon, Let’s go〜2019 Ver〜」「音色 〜2019 Ver.〜 」が流れると、会場はさらに盛り上がった。日本のヒップホップシーンをリードし続けているラッパーKREVAとしての存在感を見せつけてくれた。

KREVA

続いてBlue SkyにはSUPER BEAVERが登場。「証明」、「名前を呼ぶよ」の後、MCへ。「最初声かけてもらった時に、ちょっとどうしようかと思ったけど、でもまぁ、自分たちができることは、少しずついろんなものぶっ壊していくことだし、いろんなものを守っていくことだとも思ってます。あなたが聴いてくれて、あなたが俺たちの気持ちを受け取って、あなたの気持ちが俺たちに届いて、それを何度も何度も繰り返す。それが俺たちにとってのライブ。お互いいろいろ大変だと思うけど、頑張っていきましょう」と言って、「閃光」が始まる。「突破口」、「mob」で盛り上がったあと、「俺たちもかっこいい曲を届けるから、かっこいい見方をしてくれよ」と語って、「人として」を熱唱。「アイラヴユー」、「さよなら絶望」で大勢の観衆と一体になり、インタラクティブな最高のステージが幕を閉じ、今年のフェスのラストとなるGood Wave stageでのNullbarichにバトンを繋いだ。

SUPER BEAVER

どのアーティストも、久々の賑やかな会場を素直に楽しみながら、観客とのコミュニケーションの醍醐味をしっかりと味わっているように感じた。コロナを経てさらに、このようなオフラインのインララクティブな場がとても必要であることを実感した人も多かったのではないだろうか。ライブの素晴らしさを改めて体感できた、感動的なフェスだった。

Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka