「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」が、10月22日から開催!現代美術家の小松美羽が描いた特大絵馬も展示

2021/10/20

昨年11月に初開催され、9日間で約75000人の来場者を記録した「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」が、今年も10月22日から10日間開催される。

「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」は、東京は江東区の深川エリア(門前仲町、清澄白河、森下) の地域住民が主体となって立ち上けられた、まったく新しい市民芸術祭。江⼾時代からの神社仏閣がある下町・深川の街なかに、障がいのあるアーティストの作品を展⽰し、街全体が美術館となる。『アートの力で人々をつなぎ、おしゃべりを楽しみ、お互いを認め合い、支え合う、「共に生きる」社会を目指す』をテーマに掲げており、初回の昨年は75000もの人々が訪れ、この分野の芸術祭では世界でも例のない成功を収めた。

また、オンライン上でもバーチャル美術館や、オンラインならではの対話型アート鑑賞「アートでおしゃべり」が開催され、各種イベントや街なかアート、街歩きのライブ配信も毎日行われる。全国コンペで入賞したけれど、障がいがあるため深川まで足を運ぶことができないというような人も、360度ビュー写真で自分の作品をゆっくりと鑑賞することが可能となっている。

開催を間近に控え、10 月14日、現代美術家の小松美羽が特大絵馬にライブペインティングを施すというキックオフイベントが富岡八幡宮で行われた。のちに丸山宮司によって御霊が⼊れられたこの絵馬は、芸術祭のシンボルとして期間中、EARTH+GALLERY(江東区木場 3-18-17)に展示される。

HIGHFLYERSは、ライブペインティングを終えたばかりの小松を取材した。

人々の心が癒されて天と繋がって、皆が平穏に暮らしていけるようにと願いを込めて描いた。フラッと深川を訪れて、芸術祭のアートを見て楽しんでいって欲しい

―今日はどのような気持ちを込めてあの絵を描きましたか?

この芸術祭には去年はトークセッションという形で参加させていただいたんですけど、今年は急遽この特大絵馬を描く御神事を行うというお話を頂きました。こういった神聖な場所で絵を描かせていただくのは光栄ですし、とても感慨深く思っています。障害があって簡単には描けない子供たちとかもたくさんいらして、そういった方たちの、一筆一筆大変な中で絵馬を作りあげる姿を去年も見させていただいてたので、今日は絶対に描くぞ!って心決めてきました。多くの方、それぞれのいろんな願いや祈りとかを込めた感情があると思うんですけど、そういった人々の心が癒されて、天と繋がって、皆さんが平穏に暮らしていかれますようにという気持ちで描かせていただきました。天気も良くて太陽の力をいっぱいもらえて、エネルギーに溢れた絵を描けて良かったなと思います。

―絵馬を描くのは今回が初めてですか?その瞬間瞬間に感じたインスピレーションで描いていらっしゃると思いますが、絵馬を描くとなると、いつもと少し構図とかも変わってくるんですか?

絵馬を描くのは初めてです。最初にお祈りをさせていただいて、ふわ〜っと自分に入ってきたものを落とし込んでいきますが、ライブペインティングはいつも自我を出さずに、湧き上がってくるものを忠実に描かせてもらっているので、あまり構図とかは考えないです。

―これまでも他の神社やお寺にも奉納する作品を描かれてきましたが、寺社に奉納される作品をライブで描く時の気持ちや心構えみたいなものは他で描く時と違いますか?

そうですね、やっぱり神域でやらせていただくので失礼があってはいけないと思いますし、ちゃんと手を合わせてしっかりと描かせていただくことも伝えないといけないと思っています。

―描く前に、気を整えるために何か特別にされることはありますか?

色々自分に降ってくるものが見えるように、会場に来る前に、そして会場でもマントラを唱えて準備します。そしてライブペイントを始める前に瞑想をさせていただきます。

―富岡八幡宮には以前も来られたことはありますか?どんな気やインスピレーションを感じますか?

はい、以前も来たことがあります。とても由緒正しい神社ですし、簡単に(ライブペインティングを)やらせていただけるような場所ではないと思うので、こういったご縁をいただけたということは私の役割なんだなと思います。今日は天気が良く、浄化の力を持つ太陽の光や、いろんな人の祈りのエネルギーを感じました。

―芸術祭には昨年も参加されていますが、どんな印象を抱きましたか?

いろんな場所にアートが散りばめられていて、有名な作家さんの作品とかではなく、一般の子供たちから大人まで、みんなで手作りで作りあげていて、一つひとつが温かいんですよね。障害のある方たちの中には、筆を持つのも大変な子とかもいっぱいいて、そういった方たちの一筆一筆は普通よりすごく重いんだなと感じましたが、そういう重みもある中で間口が広くて楽しめるアートだと思って見させていただきました。

―今年も盛り上がりそうですね。最後に、どんな方に来て欲しい、どんなことを感じて欲しいかなど教えてください。

「こんなところで芸術祭をやっているんだ、見て行こうかな」って思えるような、オープンな雰囲気の芸術祭だと思うので、フラッと深川を訪れてアートを見る楽しみみたいなものを、芸術祭を目的に来られる方だけではなく、いろんな方に感じていただけたらいいんじゃないかなと私は思います。コロナの影響もありますが、みなさん色々ルールを守りながら展示をされていると思いますし、外での展示も多いので、是非気軽に来て楽しい気持ちになって帰ってもらえたらいいなと思います。

Text & Photo: Atsuko Tanaka

 

「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」開催概要

⽇程:2021年10⽉22⽇(⾦)〜31⽇(⽇)

会場:⾨前仲町、清澄⽩河、森下

※緊急事態宣⾔等により延期及び中⽌になる場合もあります

主催:アートパラ深川おしゃべりな芸術祭実⾏委員会・⼀般社団法⼈アートパラ深川

アートパラ深川おしゃべりな芸術祭スペシャルアドバイザー:コシノジュンコ(デザイナー)

アートパラ深川おしゃべりな芸術祭クリエイティブディレクター:福島 治(東京⼯芸⼤学 教授)

公式HP:https://artpara-fukagawa.tokyo/