「TOKYO JAZZ +plus LIVE STREAM」が間もなく開催! 6オクターブの美声を持つカザフスタン人歌手・ディマシュが語る、フェス参加への意気込みや今後の夢【インタビュー】
2020/05/19
国内最大級のジャズフェスティバルとして人気を誇る「TOKYO JAZZ」。年に一度、世界中から集結した名だたるジャズミュージシャンらによる演奏が繰り広げられ、全国から多くのジャズファンが集まる。今年はコロナの影響で公演は中止とされていたが、同じ日付でオンラインフェス「TOKYO JAZZ +plus LIVE STREAM」として開催されることが決定した。
ラインナップは、上原ひろみや⼩曽根真、平原綾⾹、カザフスタン出身のディマシュ・クダイベルゲン、そして、TOKYO JAZZではお馴染みのチック・コリアや、2018年のTOKYO JAZZに出演し圧巻のプレイを披露したティグラン・ハマシアンなど。他にも、TOKYO JAZZ に縁の深いアーティストも出演し、彼らのメッセージやこれまでの名演も公開されるそうで(公式HPでは、観たい名場⾯のリクエストを募集中)、見応えたっぷりのフェスとなることは間違いない。
そこでHIGHFLYERSは、出演者の注目の一人である、ディマシュをインタビュー。今回TOKYO JAZZ初参加で、その存在は日本ではまだあまり知られていないかもしれないが、アジアやヨーロッパの国では知名度が高く、多くの支持を得ている。芸術一家に育った彼は、幼少期から歌とピアノのレッスンを受け、その才能を披露してきた。大学ではクラシックと現代音楽を学び、アスタナ オペラからオファーを受けるも、クラシックと伝統的なカザフ音楽の要素を取り入れたコンテンポラリー音楽の道を志す。その後、2015年のベラルーシで行われた国際芸術祭「スラヴャンスキー・バザール」に出演し、見事グランプリを獲得。そして2年後、中国の人気歌番組「Singer 2017」に出て、圧巻の歌唱力で一躍若手スターの地位を得た。音楽の才能だけでなく、190cmでスラリとしたスタイルに甘いマスクも、人気の要因の一つと言えるだろう。今回は惜しくも来日は果たせなかったが、TOKYO JAZZで彼のパフォーマンスに期待を寄せるファンも多い。ディマシュが住むヌルスルタン(カザフスタンの首都)の魅力や、TOKYO JAZZへの意気込み、作曲において大事にしていること、今後の夢などを聞いた。
インスピレーションが降りてくるのは飛行機に乗っている時が多い。窓から空を眺めて、美しい天国のような風景を頭の中で描くと、曲が自ずと生まれてくる
―ディマシュさんが現在拠点にされているヌルスルタンはどのような街なのでしょうか?街や人々の魅力を教えてください。
ヌルスルタンは、とても美しくて活気に溢れたモダンな街。私はこの街が大好きです。ここに住む人々のリズムや絶え間ない動きが私をインスパイアしてくれます。仕事で海外に行くことが多いですが、私の家族や親しい友人がいるので、時間がある時はできる限りここに戻ってきて、彼らと一緒に過ごすようにしています。
―コロナで大変な状況が続いていますが、ディマシュさんはどんな風に日々を送っていらっしゃいますか?
新たに作曲をしたり、歌のレコーディングしたりと、大体はスタジオにいることが多いです。あとは映画を観たり、ゲームをしたり、兄弟とフットボールをしたりして遊んでます。
―TOKYO JAZZフェスに参加されるのは今回が初めてですが、どのような心境ですか?
TOKYO JAZZフェスは、これまで錚々たる世界中の著名なジャズアーティスト達が出演されてきました。私のような、まだ世界ツアーに出始めて間もない若いアーティストに参加する素晴らしい機会をいただけて、とても光栄に思っています。
―日本や日本人に対してはどんなイメージを抱いてますか?
まず、日本の方々はとても親切で、おもてなしの心を持った方達だと思っております。そのもてなし方は、カザフの人々のものと似ているんです。日本に行った時、空港で日本のファンの方達に温かく迎え入れていただいたことをとてもよく覚えています。そして、日本はとても美しい国で、自然や文化、建造物などの素晴らしさに魅了されました。日本食もとても大好きです。
―素晴らしい歌を届けるために日々努力していることや習慣にしていることなどはありますか?
ボーカリストにとって最も大事な武器は声なので、喉を守り、大事にケアをしなくてはいけません。私は、通常はコンサート前は喋らず、声帯を緊張させないようにしています。一日全く何も話さないという時もありますが、大体はコンサートが始まる2時間前くらいまでは静かにし、パフォーマンスの始まる1時間前から徐々に声を出して歌い始めるようにしています。あとは、他のアーティストも同じだと思いますが、一定の落ち着いた環境の元、自分の声に耳を傾けるようにしています。また、質の良い睡眠はとても大事なので、睡眠時間をちゃんととり、規則正しい生活を送るように心がけています。あまり長く寝すぎると逆効果となり、睡眠不足の時のように声にとって良くないので、寝過ぎないようにも気をつけています。
―曲を作る上で大事にしていることや。インスピレーションのもととなるものはどんなことですか?
大抵は、世界で起きる出来事にインスパイアされることが多く、曲のテーマはその時の私の心の感じ方よって決まります。インスピレーションは飛行機に乗っている時などに突然降ってくることが多いです。飛行機の窓から空を眺めて、美しい天国のような風景を頭の中で描くと、曲が自ずと生まれてくるんです。そういったプロセスも、曲を通してファンと分かち合いたいと思っています。
ー最後に、ディマシュさんのこれからの目標や夢を教えてください。
今の大きな夢は、グラミー賞を獲得することです。私にはたくさんの達成したいことと、それに向かってのプランがありますが、その多くは私が子供の頃から10年先を見据えて計画してきたものです。今はそれらの夢の実現に向かって、できる限りの努力をし続けています。
今年も、見どころ満載のTOKYO JAZZ。それぞれの環境で、オンラインフェスを楽しもう。開催時間などの詳細は随時HPでチェックしてほしい。
Text: Atsuko Tanaka
TOKYO JAZZ +plus LIVE STREAM
東京JAZZ公式YouTubeチャンネルにて配信
日程 : 2020年5月23日(土) 24日(日) 時間:20~22時*予定
主催 : 東京JAZZ実行委員会(NHK、NHKエンターフライズ、日本経済新聞社) 特別協賛 : 一般財団法人セガサミー文化芸術財団
出演アーティスト :上原ひろみ、HZETTRIO、Ovall×Gotch、小曽根真 featuring No Name Horses、 小田朋美×中山晃子、川口千里、ゴーゴー・ペンギン、Still Dreaming with ジョシュア・レッドマン、ロン・マイルス、スコット・コリー& デイヴ・キング、 チック・コリア、ティグラン・ハマシアン、ディマシュ・クダイベルゲン、TRI4TH、チャイナ・モーゼス、挾間美帆 m_unit、バルトロメイ・ビットマン、平原綾香、日野皓正、fox capture plan、ボブ・ジェームス、マイケル・リーグ、マンハッタン・トランスファー、ミシェル・カミロ、ミシェル・ンデゲオチェロ、ラリー・カールトン、リー・リトナー、ロベルト・フォンセカ、ダナイ・スアレス ほか
MC:ハリー杉山、セレイナ・アン