目指すは紅白!平成から新時代へつなげる応援歌、八代亜紀とみやぞんによる初のデュエット曲「だいじょうぶ」がリリース!【インタビュー】
2019/02/07
今年芸能生活49年目を迎え、今もなお圧巻の歌唱力で、聴く人々の心に響く歌を歌い続ける、日本を代表するディーヴァの一人、八代亜紀。2010年以降は、ジャズアルバムをリリースしたり、フジロックフェスティバルに出演するなど、ジャンルにとらわれず精力的に活動する姿は、今なお多くのファンを魅了し続けている。そんな八代が人気お笑いタレントのみやぞんとデュエットして、「だいじょうぶ」という応援歌を2月6日に発売する。
みやぞんは、2009年に保育園の幼なじみであるあらぽんと「ANZEN漫才」を結成し、ギターを弾きながらの歌ネタやコントなどで注目され、昨年「24時間テレビ」(日本テレビ系)では、トライアスロンを完走して多くの人々に感動を与えた姿が記憶に新しい。
八代からのオファーにみやぞんは「(八代亜紀さんは)子どもの頃から見たり曲を聴いたりしてきた方。大御所の方なので、今回のお話をいただいた時は緊張しました。会ってみたらものすごく腰の低い方で、なんて心の広い方なんだと思いました。存在が近しく、支えてもらっているようにも感じています」と率直に思いを語った。楽曲に対しては「もう無理かと思っても大丈夫、取り越し苦労をしない、そんなポジティブな魂を込めたメッセージのような歌」と話した。
また「だいじょうぶ」は、八代の故郷である熊本の人々はもちろんのこと、少しでも多くの人達に勇気を与えたいという思いから作られた曲で、THE ALFEEの高見沢俊彦が作曲を、伊藤薫が作詞を担当している。
楽曲について八代は、「昨今、世界中で起こる、辛い出来事や悲しい出来事を歌で救えれば…。傷ついてしまった人たちの背中を、歌で支えることが出来れば…。そのような想いから、この曲の制作を始めました。この主旨にご賛同してくださったみなさまと力を合わせ、素敵な曲が出来上がりました。みんなで「だいじょうぶ」の輪を広げましょう!」と思いを語った。
今回の二人の目標はズバリ、今年大晦日のNHK「紅白歌合戦」出場。歌を通して「だいじょうぶ」の輪を全国に広げていく。2月11日にはラゾーナ川崎にて、シングルリリース記念のミニライブを開催予定で、「八代亜紀 with みやぞん」として初めて人前でパフォーマンスを行う。ちなみにジャケットの題字は八代本人の直筆。そこでHIGHFLYERSは八代にインタビューし、応援歌「だいじょうぶ」に込めた想いや曲が完成したことへの感想、みやぞんについて、そして自身のライフスタイルについてを伺った。
大事なのは、「だいじょうぶ」って自分の心に言い聞かせること。今日を頑張ってる自分に自信を持って、自分の生き様を大好きになればいい。自分を愛しましょう!
―デュエットの相手として、なぜみやぞんさんを選んだのですか?
「だいじょうぶ」っていう言葉が、みやぞんちゃんにぴったりだと思ったんです。誰を相手に選ぶか決める時、スタッフの間で声が合うかなという意見もあったみたいだけど、私は一発で「いいんじゃない?この曲は彼しかいないでしょう!」って言ったの。
―ということは、歌とか声で選んだわけではなく?
雰囲気でね。なぜならば「だいじょうぶ」ってまさに彼のキャラクター。彼は怒らないんですよ。どんなに辛くても一生懸命やって、怒ろうとする瞬間にニッと笑うのが彼の特徴なのね。「だいじょうぶ」っていう言葉がぴったり。「彼しかいないんじゃない?」って言って、決まりました。
― デュエットされてみてどうでしたか?
私は過去に、石原裕次郎さんや高倉健さんなど、先輩方とデュエットをさせていただいているのですが、スタジオで収録したときにみやぞんちゃんが、「八代さんは裕次郎さんとか健さんとか大物とデュエットしてるでしょ。僕でいいんですか? 」って言うの。だから「いいんですよ。一緒だよ」って言ったの。そうしたら「どこが一緒なんですか?」って言うから、「心が一緒だよ」って言ったの。 裕次郎さんも健さんも本当に心が優しくて、売れない八代亜紀の頃に本当に分け隔てなく優しくしてもらったのね。 二人とも、自分が食べて美味しいものを「亜紀も一緒に食べるぞ」って言う人たちだったの。私も二人を見習って、「みやぞんちゃんは優しい心が一緒だよ。みやぞんちゃんじゃなきゃダメなんだよ」って言ったら、もの凄く喜んでました。
―「だいじょうぶ」というタイトルに決めたり、みやぞんさんを選んだりしたのは、根底にどのような想いがあるのですか?
平成時代って天変地異があって凄い時代だったじゃないですか。もちろん毎年被災地に行っているものの、 CDとか音楽ならさらに津々浦々にも届けられるでしょ。だから、 心の安らぎの応援歌を出したいと数年前から思っていて、ずっとレコード会社のスタッフに話をしていたので、実はチームを組んでから2年越しの企画なんです。
―チームには、高見沢さんを作曲に、伊藤薫さんを作詞に迎えられましたがいかがでしたか?
高見沢さんはほら、昭和の匂いがしない?高いヒール履いて、独特の匂いを持ってる人でしょ。作詞家の伊藤薫さんは、田舎で暮らしているような優しくて素朴な先生で、詩もまたすごく素敵なんですよ。 「ラヴ・イズ・オーヴァー」とか、私も何曲かあるんですけど、「JAMAAS(ジャマース)真実はふたつ」っていう曲も、神様にもらった命だから大事にしようねっていう歌で。そういう言葉がいいんです。
―「だいじょうぶ」という言葉に関しては、ご自身の人生の中で特別な意味がありますか?
人間だから、絶対だいじょうぶなことってないんですよ。だから「だいじょうぶ」って自分の心に言い聞かせるって大事なんです。何かあると「だいじょうぶかな」って誰でも思うよね。そんな時、背中をさすってくれて「だいじょうぶ、だいじょうぶ」って言ってくれる人がいたら、だいじょうぶになってきますよね。そういう役をやりたかったんです。
―ご自身の人生の中で一番「だいじょうぶ」って言葉が必要だった時って覚えてますか?
もう50年近く前、全日本歌謡選手権っていう番組に出演した時です。10週勝ち抜けなかったら八代亜紀をやめるっていう覚悟でチャレンジして、10週間、4人の審査員の先生のうち3人はずっと褒めてくださったんですけど、一人の先生には「あんたやめなさい、嫌い」ってずっと言われ続けたの。でも、3人の先生たちは「君は凄い、レコード会社はこんな歌手を放っておいてはいけない」って言い続けてくださったから、私は心の中で「ああ言ってくださってるんだから、だいじょうぶ」って言い続けてました。
―歌手生活の最初のステップから使っていたほど、八代さんにとって「だいじょうぶ」は特別な言葉なんですね。この曲をどういう方に届けたいと思いますか?
自信が全然ない人に、「(力強く)だいじょうぶ!」って力を届けたいです。何かをチャレンジしようとする人に、この言い方でステージから伝えるとみんな喜んでくれます。
―プライベートなお話も伺いたいのですが、八代さんは、素晴らしい絵を描かれたり、ジュエリーをプロデュースされたり、いろんな分野で活躍されていますね。
もうできることだけよ、歌と絵だけだから。
―歌と絵はどう両立させていらっしゃるんですか?
父が描いてましたので血は争えないということですけど、もともと幼い頃から絵をやっていて。全国で入選したりもしましたけど、三度の飯より絵を描くのが好きな子供でしたし、将来は絵描きになろうと思っていました。今は箱根の強羅にアトリエがあって、そこに行かないと画家にならないの。ここ(東京)では歌手だから。
―箱根で絵に集中なさるんですか?
箱根には月に2回、3日間ずつ行くの。まず3日間アトリエにこもって絵画制作をしたら、その後、油絵の具を乾かすために3週間ほど間を空けなくてはいけない。その間に、コンサートやテレビの仕事をこなし、またアトリエにこもる。私の生活のサイクルにぴったりなんです(笑)。
―やっぱりそれは生きていく上で必要なことなんですね。
そう。本当に大好きなことをやめて何か違うものをやれって言われても飽きません?何十年も前は朝6時から仕事の時でも、5時半まで描いていて、ひいひい言って歌っていたら 、マネージャーに「プロ歌手としてなってない」ってすごい怒られて。忙しいから絵を描いちゃいけないって言われても、隠れて夜中描いたりしてバレるんですけどね(笑)。それで、これではダメだと絵を描く時間を含めたスケジュールを組んでくれるようになりました。
―そうやってスケジュールを組んだら変わりました?
全然病気しない。喉も調子いい(笑)。歌と絵は一緒じゃないとダメなの。
―他にも、演歌だけでなく、ニューヨークの「バードランド」でもジャズを歌われたり、フジロックフェスティバルにも出演されたりしていますよね。
音楽はジャンル関係ないの。(曲の)イントロで心も性格も変わるから、オールマイティーです。
―絵の時は何か変わるんですか?
絵の時は亜紀ちゃん。つまり素の状態ということ。でも歌はどれも自分じゃないのね、代弁してるの。だってどの歌も経験ないもん。言ってみれば役者ですね。3分間で精神がコロコロ変わって演じてる。10曲あったら10人全員の顔が出てくるらしいです。フジロックとかだと、「はぁ〜い!!」って(元気よく)出て行きますからね。私自身は気づかないけど。
―興味深いです。まだやってないことで何かやってみたいことはありますか?
う〜ん、ない(笑)。もう全部やった。
―でも何か誘われたらやるかもしれないですね。
今のマネージャーは若いから色々やりたいことを提案してくるんですけど、私はやりたくない(笑)。ステージが終わったら箱根に行きたい。
―最後に、八代さんの人生にとって大切なものってなんですか?
嫌なこととか辛いことって絶対あるけど、いかにそこで誰を信じるかということ。人を信じるって自分を信じるってことなんですよ。自分が自分を裏切らない人にならないといけないの。それって凄く大変だと思うじゃない?でも簡単なんだよ、自分を信じるって。だって自分を愛せばいいんだもん。自分の生き様が大好きになればいいの。「自分は頑張ってるね、素敵だね」って言ってあげればいい。
―八代さんはそういうことを昔からできていました?
昔からそうなの。新人の頃に売れる前は、「売れない歌手は一緒に飯食うな」とまで言われたこともある。でもその数ヶ月後に「なみだ恋」が100万枚突破したら、その時そう言っていた人は涙声で「ごめんね」って言ってくる。そういうことなんですよ。言った人が後悔するの。自分がいじめたりして後悔しないようにすればいい。だから簡単だよ。
―自分がわからない時や信じることが難しい時は、どうしたらいいでしょうか。
自分を見つけるまで何が正しいかってわからないの。だから今を頑張るわけですよ。今日頑張ると明日に繋がるわけでしょ。私、今日を見失ってどん底の時もあったの。売れない時に、いろんなことが重なって全部どん底。そこで、どうすればいい?死ぬしかないってことはもう上がるしかないじゃない?つまり、今日を頑張ればいいんだ、あとは上がっていくだけだってことでしょ。頑張ってる自分に、今やってることに自信を持てばいいんです。だから自分を愛しましょう!
Interview & Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka
八代亜紀 with みやぞん 「だいじょうぶ」2 月 6 日(水)発売
- だいじょうぶ(八代亜紀 with みやぞん)
- だいじょうぶ(八代亜紀)
- だいじょうぶ(みやぞん)
- だいじょうぶ(カラオケ)
「だいじょうぶ」(八代亜紀ソロ・ヴァージョン) iTunes、レコチョク他主要配信サイトにて配信中
【iTunes】http://po.st/it_ya_dai
【レコチョク】http://po.st/reco_ya_dai
【YouTube リンク】https://www.youtube.com/watch?v=xbjwg0wqQ9I