サブライム・ウィズ・ローム、ジミー・クリフ、ヴィンテージ・トラブルも来日!サーフカルチャー、ビーチカルチャーを愛するアーティストが集結した祭典「GREENROOM FESTIVAL」が5月に開催!【インタビュー】

2018/04/11

2018年5月26日27日の週末、サーフ&ビーチカルチャーの祭典「GREENROOM FESTIVAL(グリーンルーム・フェスティバル)」が横浜にやってくる。 これは、“Save The Beach, Save The Ocean”をコンセプトに掲げ、ビーチを愛する国内外のミュージシャンやアーティストが集結し、音楽やアートを通して、未来の子供達に大切なビーチを残していこうとするフェスティバルだ。国籍やジャンルを飛び越えて国内外のサーフカルチャーに造詣の深いアーティスト達が最高のパフォーマンスを披露することで、会場に足を運んでくれた人々の心と繋がるという、通常の音楽フェスとは一線を画す人気のイベントである。

2005年にスタートしたGREENROOM FESTIVALも今年で14回目。毎回素晴らしいアーティストがラインナップされることでも話題になるが、今年も例年にもれず豪華な顔ぶれが揃った。2014年ぶりに登場のジャマイカを代表するレゲエシンガーのジミー・クリフ(Jimmy Cliff)、2015年にロックバンドとして初めてジャズの名門レーベルブルーノートと契約したヴィンテージ・トラブル(Vintage Trouble)、アメリカ西海岸のスカ・パンクのレジェンドバンド、サブライム・ウィズ・ローム(Sublime with Rome)、伝説のレゲエバンド、ザ・ウェイラーズ(The Wailers)などが来日するほか、国内アーティストは、初登場となるASIAN KUNG-FU GENERATIONを始め、ハナレグミEGO-WRAPPIN’サンボマスター水曜日のカンパネラ大橋トリオMONKEY MAJIK、 SOIL&”PIMP”SESSIONS在日ファンクなどの実力派が幅広いジャンルにわたって並んでいる。

また、4月22日(日)には、「GREENROOM FESTIVALに行く前に海岸をキレイにしよう!」というコンセプトを掲げ、急速に減少しているビーチと海の環境を守る為にビーチクリーンイベントを実施する。ビーチクリーンの参加者はアーティストのLIVEが無料で楽しめる。今年はbirdNakamuraEmiが、綺麗にしたビーチの目の前にあるGREENROOM BEACH CLUBにてライブを行う。

GREENROOM FESTIVAL開幕に先駆け、HIGHFLYERSはGREENROOM FESTIVALの発起人であり主催者、株式会社GREENROOM代表取締役の釜萢直起(かまやちなおき)氏に開催の経緯やこれからのことを伺った。

GREENROOM代表取締役の釜萢直起

—GREENROOM FESTIVALを始めたきっかけを教えてください。

2004年にカリフォルニアのラグナビーチでやっていたムーンシャインフェスティバルに行って感動して、日本に持ち込みたいと思ったことがきっかけです。ムーンシャインは、当時ジャック・ジョンソンがヘッドライナーで、いくつかの音楽のステージがあるのですが、音楽だけでなくアートやフィルムのエリアもありました。それまで自分がよく行っていたフェスは、コンサートっぽいものばかりだったのでカルチャー的な濃厚さが凄くかっこ良くて心打たれました。

—ムーンシャインに行ったのは、音楽を聴くこと目的だったのですか?

そうですね。新しいムーブメント的なものが始まっていると聞いてすぐ観に行きました。2000人くらいの小さなフェスでしたが、カリフォルニアのサーフカルチャーのど真ん中というか、自分の好きなものがたくさん詰まっていて。

—釜萢さんご自身もサーフィンを長年続けていらっしゃるそうですね。

はい。住んでいた東京都町田市は、電車で江ノ島にすぐ出られるような場所にあって、小学生くらいになるとスケートボードを買ってもらって、中学生の頃にはみんなで鵠沼にサーフィンに行くような土地柄だったので、自然と僕もスケートを始めてサーフィンに入っていったって感じでしたね。昔は大会に出るのも好きだったんですけど、ちょっとずつサーフトリップの方に移っていって、いろんな国をサーフィンで回っているうちに、各地のいろんなフェスを知って、その地の食べ物含めカルチャー全体に興味を持ちました。

—しかし2004年9月にムーンシャインフェスティバルを観て、2005年2月にこちらで第1回GREENROOMフェスを開催とは、かなり短期間で準備されましたね。

そうですね。2004年9月の時に現地でオーガナイザーチームを紹介してもらって、日本でもやりたいと話したら「やろうぜ」って感じだったんですけど、ムーンシャイン自体は資金的に開催できなくなってしまい、早めになくなってしまったんですよ。でもとてもいいイベントで僕の心にも残ったんで、GREENROOM FESTIVALになってもスピリットみたいなものは継いでいきたいなと思ったんです。

—そして横浜で開催したのですね。いかがでしたか?

それまで音楽に携わったことが全くなかったので、初の音楽イベントでわからないことだらけだったので今思えば大変だったし、ビザの取り方ひとつにしても海外のアーティストを招聘するのに色々迷惑かけたなぁって思います。トミー・ゲレロ(TOMMY GUERRERO)、ザ・スリップ(THE SLIP)、シム・レッドモンド・バンド(SIM REDMOND BAND, RAY BARBEE)などを海外から呼び、日本人はマグノリア(Magnolia)、 ケイソン(Keison)、 キャラバン(Caravan)などが出演しました。1年目はイベント的にはすごく良かったけど、収支的にはやっぱり厳しい状況でしたね。

2005年に行われた第一回目のGREENROOM FESTIVAL

—それでも何年も続けてきたわけですよね。経営が厳しくても続ける魅力はなんですか?

第1回は2月開催で凄く雪が降ってたんですけど、並んで待っててくれるお客さんがいて、ライブも凄く盛り上がったので感動したんです。今年で14回目ですが、フェスに会社の名前もついているし、自分たちのクリエイティブを全部出せる場でもあるので、そういう意味ではなくすっていう意識は今までに一回もないし、どちらかというと、より楽しんでもらえるためにはどうしたらいいかっていうのを日々考えている感じです。

—GREENROOM社の一番のメインの事業は他にあるのでしょうか?

会社は1999年に創業したんですけど、基本的にはクリエイティブプロダクションなので、いろんなデザインをしたりアートを作ったりしています。それと、アートギャラリー業という形で、ハワイと日本でギャラリーをやってます。やっぱり海が好きなので、基本的には海のカルチャーを伝える上で、音楽もアートも映画もあるっていう考え方なんで。

GREENROOM ギャラリー。左上から時計回りに:鎌倉店、横浜店、ハワイ店、横浜ビブレ店

—海の良さを一言で言うとなんですか?

やっぱり気持ちいいし、海が好きなんですよね。私自身、鎌倉の海の前に住んでるんですけど、やっぱり海にいる時間は大事ですし、逆に原宿まで働きに来る真逆性というか、海と都会の生活の中で生かされているような意識があります。

—お話ししていてとても穏やかな方だと思ったのですが、社長業ってお忙しくてせわしないイメージがあるのですが、海のそばで暮らすと穏やかになりますか?

うーん、基本的に音楽とアートとファッションという自分が特に好きなことで事業が構成されていることが理由かもしれないですけどね。

—好きなことだけを続けていける会社にするには何か秘訣があるんですか?

むしろ、好きなことしか残らなかったということなんですけどね。フェスは今年で14年目ですが、9年目くらいからソールドアウトしましたし、ギャラリーも9年目ですけど、軌道にのるには長くはかかるんで、年々クオリティーを上げていければ負けないかなっていうか、まあずっと負けていてもどこかで変わる時が来るんで。

左上から時計回りに、GREENROOM FESTIVAL 2006年、2010年、2017年、2013年

—変わる時が来ると信じていけるのは、元々の資金が会社にあったからですか?

資金はフェスをやるために別の事業で稼ぐって感じですね。そこは資金がないとできないんで。

—素晴らしいですね。ところで、2年前からフェスのメインイベントの前に事前に海岸をお掃除するイベントもしているそうですね。

そうですね。当初は10年前から海岸にゴミ箱を設置してまして、全部で80機以上設置したんですけど、今行政はゴミ箱を排除する流れに変わってしまいました。ゴミ箱があるからそこにゴミが溜るっていう考え方になってしまって、今は逆に撤去してほしいって言われるようになってしまったんです。そこで、自分たちは海に対して具体的に何ができるんろうって考えた時に、フェスの前にできるところから始めようとなり、ビーチクリーンをフェスの前に湘南とハワイでやり始めました。

湘南で行われたビーチクリーンの様子

—ハワイでも!開催場所で行うわけではなくて、違う海岸でもやってるんですか?

ハワイはGREENROOM FESTIVALをダイアモンドヘッドでやってるんですけど、その前にアラモアナやノースショアを綺麗にします。今回日本では、材木座海岸と鵠沼を掃除します。

—プレイベントを始めて良かったことはありましたか?

ビーチクリーンは結構やっていますが、このイベントだけで海のゴミが全部綺麗になるわけではないので、数多く続けていって、いろんな人に伝わっていったらいいなと思っています。

—ずっと小さい頃から海を見てきた釜萢さんですが、最近の海に大きな変化はありましたか?

一番伝えたいことでもありますが、世界中のビーチの面積が年々減っていってるんですね。湘南でも昔は100メートルあったのが今は20メートルとかです。ハワイでもワイキキは砂を投下しているんですよ。大量の砂を毎年、州の予算で入れるほど砂浜がなくなっています。

—それは自然の現象ですか?

それもそうだし、いろんな要因で。ダムやテトラポットがたくさんできたりだとか、原因は様々ですが、砂浜がなくなってしまうと誰も海に遊びに行けなくなるし、海の家もなくなってサーフィンも海水浴もできなくなっちゃう。そういう事態がすぐそこまで来ているので、そういうことをフェスとしても伝えていきたいと思っています。

—他に、今年のフェスのこだわりはありますか?

ミュージシャンのラインナップにしては、今回はサブライムが初出演ということで、僕らが20代歳の頃はサブライムはミクスチャーの象徴的存在だったし、「サンテリア」という曲が、コロナビールを飲みながらビキニのお姉ちゃんを見る時のアンセムだったので、それを今横浜でやれるっていうのがすごく嬉しいですし、個人的にも凄くいろんな思い出が詰まっていますね。ジミー・クリフに関しては一番好きなレゲエのアーティストですし、しばらく体調が悪かったんですけど、ワールドツアーもようやく再開できるようになって。昔サーフトリップしながら何万回と聴いた歌なので、嬉しいですね。ヴィンテージ・トラブルは4年前にヘッドライナーをやってもらったんで今回2回目ですけど、自分が凄く好きなバンドです。好きで始めたフェスではあるので、ある程度オーガナイザーとしてのわがままな部分は出しておきたいです(笑)。

—音楽以外にはアートはどういうものがあるんですか?

アートは毎年20名くらいのペインターやフォトグラファー、彫刻アーティストも参加しています。自社でもアートギャラリーをやっているので年間通して彼らの作品を売っていくというサポートもできるので。好きなライブを観た後にアートを見るとまた少し感じ方が違ったりもしますし、音楽と映画やアートを来場者の皆さんがそれぞれに組み合わせることで、音楽だけでない匂いとか雰囲気を感じられると思うんで、両方体験してほしいですね。

—この先の夢や目標はありますか?

フェスに関してはハワイは今年が4年目になるんですけど、基本的には海は繋がっているし、音楽もアートも国境がないと思っているので、横浜でもハワイでもカリフォルニアでも、どんどん外にも出ていって色々な場所で開催したいと思っていますね。

2017年にハワイで行われたGREENROOM FESTIVAL

—それこそいつか原点のラグナビーチでGREENROOM FESTIVALを開催する日が来るかもしれないですね。

そうですね。サーファーは大体みんな仲良しだし、西海岸の友人アーティストも多いので、よくやろうよって話はもらうし、カリフォルニアではいつかやってみたいですね。

Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka

 

GREENROOM FESTIVAL

開催日程: 2018年5月26日(土)・5月27日(日)
開催場所: 横浜赤レンガ地区野外特設会場
企画・制作: GREENROOM FESTIVAL実行委員会
主催: GREENROOM FESTIVAL実行委員会
GREENROOM.CO/CREATIVEMAN PRODUCTIONS

5月26日(土):Jimmy Cliff/Vintage Trouble/ハナレグミ/EGO-WRAPPIN’/THE King ALL STARS/平井 大/MONKEY MAJIK GLIM SPANKY/never young beach/SOIL&”PIMP”SESSIONS/Nulbarich/七尾旅人/KNOWER/スガ シカオ(solo)/藤原さくら/SANABAGUN./WONK/小袋成彬/Port of Notes/King Gnu ほか

5月27日(土):Sublime with Rome/The Wailers/ASIAN KUNG-FU GENERATION/UA/大橋トリオ/サンボマスター/在日ファンク GRAPEVINE/水曜日のカンパネラ/MOROHA/HYUKOH/Nick Moon/手嶌葵/Ovall/KANDYTOWN/高野寛/武藤昭平withウエノコウジ BAND SET/THE CHARM PARK ほか

参加ARTアーティスト
MATTHEW ALLEN/JONAS CLAESSON/NATHAN MCKEE/SLIGHTLY CHOPPY/RUSS POPE/ERIK ABEL/KRIS GOTO/NICK KUCHAR/PAUL HARBOUR/BREE POORT/KOJI TOYODA/MITSUYUKI SHIBATA/YUSUKE HANAI/KENTARO YOSHIDA/core

詳細はGREENROOM FESTIVAL HPにて