Michael Kaneko × Spotify Japan! 今、大注目の新人アーティストが世界的音楽ストリーミングサービス主催の限定ライブに出演 【ライブレポート】

2017/11/27

2017年11月22日、シンガーソングライターのMichael Kaneko(マイケル カネコ)が世界最大級の音楽ストリーミングサービスである「Spotify Japan(スポティファイ・ジャパン)」のオフィスで、スペシャルアコースティックライブを行った。

Michael Kanekoは、今、最も注目される新人ミュージシャンの一人である。湘南生まれ、南カリフォルニア育ちというバックグラウンドを感じさせる和製Jack Johnson(ジャック・ジョンソン)とも言われる音楽性や、やるせない思いを乗せたブルース的アプローチなど、オーガニックな雰囲気が特徴だ。そんな彼は、音楽業界で徐々に知られる存在となり、デビュー前にも関わらず、日本を代表する企業のTOYOTAやPanasonicなどを含む10社以上のCMに起用されたり、サマーソニックやフジロックという巨大フェスを含む多くのフェスに出演するなど、ここ1~2年程で一気に活躍の場を広げている。2017年10月25日、Michael Kanekoは満を持して、『Westbound EP』でデビューを果たした。11月24日に代官山LOOPで行われるワンマンライブのチケットは早々に売り切れ、その注目度は音楽業界内を超え、一般の音楽ファンにも相当な勢いで届き始めている。

Michael KanekoとSpotify Japanは、以前から親交が深い。Michael Kanekoは、今年3月、Spotifyでリリースされた日本の二人組覆面ユニットAmPm(アムパム)の楽曲『Best Part of Us feat. Michael Kaneko』に参加した。これが約半年で900万回再生を達成し、日本人アーティストとしては今年最も海外で聴かれた曲の一つとなった。それがきっかけとなり、今夏にインドネシアで行われたアジア圏初のSpotifyフェスで、約1万人の観客と共にこの曲を歌った。

Spotifyは、2006年に音楽大国スウェーデンで創業、今では全世界に1億4000万人以上のユーザーを持つ、世界最大の定額制音楽ストリーミングサービスである。日本には2016年に上陸した。渋谷にある日本オフィスのエントランスには、ドラムのスキン(叩く面のところ)に書かれた国内外・ジャンル問わずアーティストのサインの数々が並び、訪れた人々の目を釘付けにする。リンキン・パークのチェスター・ベニントンやジャミロクワイのサインと共にMichael Kanekoもある。

オフィスのエントランスに飾られている、アーティストたちのサイン。MICHAEL KANEKOのサインは上の写真の右の列にある

この日、Michael Kanekoのライブが行われたのはオフィスの一角の小さなスペース。Twitterで応募した限定20名に当選したファンが待ち構える中、ギターを片手に颯爽と登場したMichael Kanekoに、彼の愛称である「マイキー!」や、「(距離が)近い!」といった声が飛ぶ。

最前列の席から1メートルも離れていないマイクスタンドの前に立ち、リラックスした様子で「じゃあ1曲やりますか。」と始めたのは、デビューEP『Westbound EP』より、リード曲の『Lost In This City』。ギター弾き語り、という彼にとって一番シンプルなスタイルで、まるでさっきまで話していた続きのように自然に歌い、身体中でリズムを感じる姿に、観客は一瞬で釘付けになった。空気を多く含むザラッとした質感、それでいて包容力のある中低音と、力強く押し出すような高音。時にそのかすれ具合も味となり、Michael Kanekoという音楽を形作っていく。空気が温まったところで、先述した900万回再生を誇るAmPm(アムパム)の楽曲『Best Part of Us feat. Michael Kaneko』を「今夜は特別に」とワンコーラスだけ披露し、ファン達を大いに沸かせた。

現在、全世界のSpotifyでナンバーワンの再生回数を誇るのが、イギリスのシンガーソングライター、Ed Sheeran(エド・シーラン)なのだが、「今日はいつもライブでやらない事をやりたい」という試みのもと、Michael Kanekoが披露したのは、Ed Sheeranの名曲『Thinking Out Loud』のカバー。歌い終えた後、開口一番「緊張したー!」と安堵の顔を見せ、一瞬で和やかな雰囲気を作った後、「まだ名前すらない」と語る新曲を披露。独特の憂いやノスタルジックな空気をまといつつ、あたたかく沁みいるメロディーと力強いギターのサウンドが会場を包む。これも音源化されるのを楽しみにしたい。

最後の曲は、『Westbound EP』より、『It Takes Two』。「ノリのいい曲なので、みんなで盛り上がっていきましょう!」と、観客に手拍子をあおって会場を一つにまとめ上げ、この日のスペシャルライブは幕を閉じた。お腹いっぱいとばかりに、満足そうな笑みを浮かべたファンの表情が印象的だった。

マイクなしでも声が届く、狭い空間でのアットホームなライブであったが、時にオフマイクでフェイクしてみたり、ファンからの問いかけに気さくに応じたり、所々で見せるはにかんだような表情や、目を閉じて大切な何かに訴えかけるような真っ直ぐな歌いかた、その全てが、ファンの心を掴んで離さない彼の魅力なのだろう。そして、特筆すべきは、ギターとの一体感。ライブを通して、ギターが彼と深いところで繋がっていて、まるで彼自身の身体の一部のように見えた。Michael Kanekoがギターを奏でるところに、歌がある。そうであるなら、その声で、その言葉で、これから彼の世界はもっともっと豊かに広がっていくであろう、と、勝手な期待をせずにはいられない。

「アーティストとファンを、もっとダイレクトに繋げていきたい」という、Spotify Japan発信の今回のスペシャルライブ。フェスで偶然観たMichael Kanekoのライブがとにかく格好良くて大ファンになり、今回応募したというファンは、「間近で観られて良かったです!」と、興奮気味に話してくれた。Spotify Japanとしては、今後もこういうイベントを増やしていきたいと話す。

また、Spotifyの魅力のひとつにアーティストが選曲し、作成するプレイリストがある。12月1日から配信を開始する「ホリデー」のプレイリストには、Micheal Kanekoを含む、20組程の日本人アーティスト達によるプレイリストが公開される。Michael Kanekoのホリデープレイリストは、子供時代を過ごした、カリフォルニアでのクリスマスの思い出が色濃く反映されているという。ぜひ、彼のパーソナリティに触れるような気持ちで聴いてみてほしい。

*SpotifyのMichael Kaneko アーティストページはこちらより

 

Text: miwaflower / Photo: Atsuko Tanaka