「 ALLPRESS ESPRESSO Tokyo Roastery & Cafe 」がフリーペーパー「PRESS」最新号発刊記念パーティーを開催。焙煎士・ペッターによるブラジル農園でのコーヒーハンティングのトークイベントも【レポート】

2017/11/02

2014年に清澄白河にオープンした「ALLPRESS ESPRESSO Tokyo Roastery & Café(オールプレス エスプレッソ トーキョー ロースタリー&カフェ)」は、不定期で発行しているフリーペーパー「PRESS(プレス)」の最新号記念パーティを10月28日に開催した。「オールプレス エスプレッソ」とは1980年に創業したニュージーランド発のコーヒー焙煎所で、ニュージーランド、オーストラリア、イギリスに店舗を展開している。東京店はカフェが併設されているほか、コーヒー豆の卸売りやエスプレッソマシンの販売を行っており、熱風焙煎機「Loring(ローリング)」で焙煎したオールプレス エスプレッソのコーヒー豆は国内 70 ヶ所を超えるカフェやレストランで取り扱われている。

ALLPRESS ESPRESSO Tokyo Roastery & Café Photo by 高木康行

今回、4号目となる最新号が発刊されたプレスは、オールプレス エスプレッソが不定期で発行しているフリーペーパーで、ニュージーランドやオーストラリアのコーヒーカルチャーを中心に、コーヒーに関わる人達にスポットを当てたライフスタイル誌。生成りの紙に、自由な視点から撮られた写真の数々で彩られたA5サイズの誌面は、まるでおしゃれなナチュラル系アート雑誌のよう。日本では、ニュージーランドで発行されている英語版を日本語に翻訳して発行されており、オールプレス エスプレッソ トーキョー ロースタリー&カフェのほか、オールプレス エスプレッソの豆を扱う全国のカフェで入手可能だ。

最新号では、世界最大のコーヒー生産国であるブラジルの農園を特集。オールプレス エスプレッソの焙煎士と生豆管理者の3人が東京、オークランド、ロンドンから合流し、ブラジルの農園に赴いた様子を伝えている。

パーティー当日は、最新号にフィーチャーされているスウェーデン人の焙煎士、Petter Higashi(ペッター・ヒガシ)が、ブラジルにて撮影した写真をスクリーンに投影しながら、旅先でのストーリーを来場者と共有するというトークイベントが行われた。ブラジルの農園の環境や栽培方法、生産者家族との関わりを話しながら、その農園の作ったシングルオリジンの豆で淹れたコーヒーが振舞われ、旅の土産話と共に来場者を束の間のブラジルへといざなってくれた。

上段、右下:ペッター・ヒガシによるトークショーの様子。左下:試飲用に配られたブラジルの農園のシングルオリジンの豆で淹れたコーヒー2種類

もともとロンドンのオールプレス エスプレッソの顧客であり、その豆を使うカフェで働いていたというペッターは3年前に来日し、オールプレス エスプレッソ東京ロースタリーの焙煎士となった経歴を持つ。トークイベント後にブラジルについて話を伺うと、「オールプレス エスプレッソの顔とも言えるエスプレッソブレンド「Kiba Blend(キバブレンド。コロンビア、ブラジル、グアテマラ、スマトラの豆のブレンド)」には欠かせない豆の生産国。そして、このブレンドの大切な土台を作ってくれているのがこの今回訪れた農園の豆なんです。ブラジルは人がみんな優しいし、食事はいいし、清潔だし、今回の旅で想像をはるかに超える素晴らしい体験ができた」と語った。ブラジルに行って最も驚いたことについては、「 ブラジルのコーヒー農園が大きいのは知っていたけれど、行くまではそのスケール感は正直あまり想像できなかった。例えば、コロンビアでは大きな農園と言ってもせいぜい10ヘクタール程度なのに、ブラジルでは700ヘクタール。生産量のレベルが全然違います。それらを全て同じクオリティに保つのは本当に凄いことだと思う。もう一つ面白かったのが、ブラジル人が美味しいと思うコーヒーの味と、僕たちが美味しいと評価している味が全く違うこと。僕たちが買うコーヒーをブラジル人は美味しいと思わず、好みが分かれているのはコーヒービジネスにとってはいいことだと思う」と話したペッター。今後の夢については、「ずっと自分のお店を持ちたいと思っていたけど、オールプレス エスプレッソの焙煎士でやりがいを持って働けているし、充実した生活ができているから今はとても満足しているので、夢は今は特に持っていない」と語り、仕事とライフスタイルに幸せを感じている様子だった。

パーティーは、最新のシングルオリジンコーヒーやカフェラテなどのテイスティングのほか、カイピリーニャというカサーシャというリキュールをベースにしたブラジルのカクテルや、ブラジリアンスタイルのBBQ、そのほかヘルシーで新鮮なパーティフードが振舞われ、コーヒーを愛する地元住民やコーヒー仲間で溢れる店内は、終始和気藹々とした温かい雰囲気だった。

来場客にはブラジルスタイルのBBQやローストビーフなどのフード、コーヒーやカイピリーニャなどのドリンクなどが振舞われた

また、オールプレス エスプレッソは、10 月 16 日よりオンラインストアをスタート。オールプレス エスプレッソオリジナルの「キバブレンド」の他にも、抽出器具やコー ヒーを新鮮に保つための 「オールプレス エアタイトキャニスター」なども購入できるようになった。さらに、清澄白河のカフェ&ロースタリーでは無料バリスタ体験イベント”MYO (Make Your Own)”を月に一度開催しており、エスプレッソマシン「ラ・マルゾッコ」を使って人気メニューのフラットホワイトやロングブラック作りを体験できる(11月の開催予定日はまだ未定。のちにインスタグラムで告知)。清澄白河まで足を運んで、ニュージーランドのコーヒーカルチャーを肌で感じてみるいい機会になりそうだ。

Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka