すみだ水族館にて、日本最大級の金魚夏祭り「東京金魚ワンダーランド」が公開【レポート】

2017/07/12

東京の下町にある唯一の水族館として知られるすみだ水族館で、2017年7月10日よりお江戸の金魚夏まつり「東京金魚ワンダーランド」がスタートした。このイベントでは、日本最大級全長100mに及ぶ金魚展示エリア「江戸リウム」において、ワキン、リュウキン、ランチョウ、エドニシキ、ピンポンパールなどさまざまな色や形をもつ約20品種、約1000匹の金魚が水槽の中でひらひらと舞う姿を観賞することができる。また、回廊には金魚ちょうちん発祥の地、山口県柳井市の職人がひとつひとつ手作りで制作した150個の金魚ちょうちんが飾られ、さらに彩りを増している。優雅に泳ぐペンギンたちの横で、夏の風物詩として知られる金魚を存分に楽しめるこのイベントは8月31日まで絶賛開催中。

初日は、ゲストのさかなクンと現役女子高生タレントの井上咲楽(いのうえさくら)が金魚展示エリア「江戸リウム」を通って金魚を鑑賞しながら登場。「東京金魚ワンダーランド」の感想を聞かれると、さかなクンは「夏が来た〜!お祭りだ〜!咲楽ちゃん金魚そのもの!」、井上は「金魚可愛い!匂いもリンゴ飴のような匂いがしてお祭りの気分になりました」 とコメント。 井上の金魚柄の赤い浴衣姿にクラゲの髪型、頭に目玉おやじの ぬいぐるみをのせた衣装が印象的だった。

その後、お魚博士としてさかなクンとも親交があるオリックス水族館株式会社 執行役員下村実(しもむらみのる)が加わり、さかなクンと一緒に、井上に金魚の魅力についてをレクチャーする“金魚教室”を開催した。

オリックス水族館株式会社 執行役員の下村実

金魚教室では、まず「金魚は、もともとなんの魚だったか?」という質問が出た。答えは“ふな”。厳密にいうと、中国で発見された“ふな”が突然変異で赤くなり、日本に渡って日本の美意識と重なって、観賞用として掛け合わせて生まれたものが金魚だという。また“ふな”と金魚の違いは、ヒレ。金魚のヒレはひらひらしていて、例えばランチュウは背びれがないものや尾びれが2つあるものなどが存在する。 ちなみに金魚はもともと上から観賞するための魚だったため、丸っぽい体型が多く、サイズも大小さまざま。寿命は大切に飼育すれば10年、20年と長く、過去の記録としては40年生きた金魚もいるそうだ。

また教室では、お祭りで手に入れた金魚を元気なまま持ち帰るための秘訣も伝授。ポイントは 欲張らずに1匹か2匹だけを持ち帰ること。その時、水をパシャパシャさせて袋に空気をいっぱい入れることで酸素を取り込むことが最も大切だという。そして帰宅したら即座に袋から出すことも忘れずに。夏祭りは水が温まっているので、家の水に突然入れると温度が違いすぎてショック死することがあるから注意が必要で、水質もしっかり考えることが大切であることも教えてくれた。これから各地で夏まつりが多く開催されるので、ぜひ参考にしていただきたい。

さらにこの空間のもう一つの見どころが、浅草の伝統飴細工専門店「アメシン」がこのイベントのために新たに製作した飴細工10種類の展示。金魚教室のあとは、アメシン代表の手塚新理(てづかしんり)が登場し、金魚飴細工の実演を行った。実演を目の前で見たさかなクンは「スギョ〜イ(凄い)!クラゲみたいだった飴が本物の金魚みたいになった!」と大興奮の様子。またサプライズで、井上が飼っている“みそ”という名前の猫に井上のチャームポイントである眉毛をつけたかわいらしい猫の飴細工が手塚から井上にプレゼントされると、「嬉しい!“みそ”そっくり!ずっと飾ります!」と井上は驚きながら喜びの表情をみせた。

左:伝統飴細工専門店「アメシン」が製作した飴細工10種類の展示 右:アメシン代表の手塚新理に飼い猫そっくりの飴をプレゼントされ、喜ぶ井上

その後は、「水木しげるxすみだ水族館 水の妖怪トンネル」の初公開にちなんで、さかなクンがイメージする水の妖怪を即興で描き、「妖怪ギョギョギョです!」と披露した。それを見て、「妖怪というより ひとつのキャラクターみたいで可愛い!さかなクンみたいですね」と井上。

さかなクンが即興で描いた水の妖怪「妖怪ギョギョギョ」

最後に、さかなクンは「こんな素敵な金魚ワールドに来れて本当に嬉しく思います。金魚は私たちに愛されるために生まれてきたお魚で、金魚を見ていると美しいな〜、可愛いな〜、水の中って素敵だな〜と色々なことを考えさせてくれると思います」と、井上は「色々な種類の金魚が見れて、サプライズで“みそ”ももらえて、色々な金魚の知識を知れてすごく楽しかったです」とコメントした。

水槽の中で美しく泳ぐ金魚たち

ちなみに7月15日より初公開される「水木しげるxすみだ水族館 水の妖怪トンネル」は、約50mのスロープの壁と天井に約5000枚の鏡を敷き詰めたクラゲ万華鏡トンネルで、夏の暑さを忘れ背筋も凍るような夏季限定のお化け屋敷空間を繰り広げている。壁沿いのクラゲ水槽の中では、青白い明かりに照らされながらまるで火の玉のように揺らぐクラゲたちが遊泳しており、その中を水木しげるが描いたおどろおどろしい9種類の妖怪たちが映像やイラストで登場する。

上段左:水の妖怪トンネル 上段右:入り口 下段:水木しげるが描いた妖怪のイラストをバックに泳ぐクラゲ

なお、「東京金魚ワンダーランド」と「水木しげるxすみだ水族館 水の妖怪トンネル」の開催にちなんで水族館内のカフェ「ペンギンカフェ」では特別メニューを提供している。おすすめは金魚をイメージしたフルーツカクテルとベリーを入れた爽やかな甘さのドリンク「金魚ソーダ」(税込750円)と水木しげるが描いた妖怪“目玉のおやじ”をイメージしたパフェ「目玉のおやじの目玉パフェ」(税込500円)。パフェはイチゴソースのかかった牛乳プリンの上にベリーと塩バニラのソフトクリームをトッピングし、目玉の描かれたマシュマロを乗せたもので、どちらも暑い夏にぴったりの体がひんやりするメニューである。

「金魚ソーダ」(左)と水木しげるが描いた妖怪“目玉のおやじ”をイメージしたパフェ「目玉のおやじの目玉パフェ」(右)

休みを利用して、子供から大人まで楽しめる金魚ワールドと水の妖怪トンネルで涼しい夏を楽しんではいかがだろうか。

 

「東京金魚ワンダーランド」

開催期間:2017年7月10日(月)~8月31日(木)

詳細は、すみだ水族館ホームページにて。

 

Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka