ミュージカル「刀剣乱舞」など、2.5次元舞台で人気俳優の伊万里有がセカンドEP「My Love Is…」をリリース。普段口にはできない愛の言葉を曲に乗せて【インタビュー】

2019/03/26

大人気の2.5次元ミュージカル「刀剣乱舞」や「機動戦士ガンダム 00 -破壊による再生 Re:Build」などに出演し、注目を集める役者の伊万里有が、2枚目となるEP「My Love Is…」を4月3日にリリースする。

今作は、タイトル通り、愛がテーマとなっていて、アップテンポな曲調がメインだった前作とは違い、作品を通してオトナの男性に成長した伊万里の一面を感じることができる。プロデュースを手掛けたのは、昨年8月に発表したデビュー作「My Name Is…」と同じく、安室奈美恵の「Hero」やBTSの「Don’t Leave Me」など、多くのヒット曲を生み出してきたサウンド・クリエイターのUTA  & SUNNY BOY。また、EPのメインシングルとなる「離さないで」のミュージックビデオの監督を担当したのは、90年代後半から活躍するR&Bグループ「Full Of Harmony」のARATAで、伊万里の心奥深くに潜ませる繊細な感情、世界観を美しくエモーショナルに描いている。

多くの特技や趣味を持ち、一人旅で47都道府県を制覇するなど好奇心旺盛な伊万里だが、HIGHFLYERSはリリースを間近に控えた彼に、恋愛についてや、アルバム制作を通してプロデューサーから得た学び、9年間かけて全国を旅した時のこと、今後挑戦してみたいことなどを聞いた。

前作を通して、自分が好きでアウトプットしたものを受け止めてくれる人がいるとわかったら、自信がついて他の仕事も上手くいくようになった

―新作「My Love Is…」についてお伺いしたいですが、前作より大人っぽいイメージで、曲もしっとりしたロマンチックなものが多いですね。伊万里さんご自身はロマンチックな方ですか?

全然違って、いつもふざけてるタイプです。今回は愛がテーマですけど、愛がどういうものかってまだよくわからないし、誰かに対して思っていても口に出して言うことはあまりないですね。でも曲にすれば言えるって感じです。

―普段言わないのは恥ずかしいから?

普通に恥ずかしいですよ。でも、言葉にはできなくても、歌にすればファンの方にも聴いてもらえる。そういった恥ずかしさも含めてできたのが「My Love Is…」なのかなと思います。

―好きな女性のために何かサプライズをして喜ばせるとしたら、どんなことをしてあげたいとかはあります?

ドライブがすごく好きなので、夜景を見に行くとかですかね。それで車の中にプレゼントを用意しておいて、夜景を見ながら差し出すとか…。でもこういうことを言ってること自体が恥ずかしいです(笑)。恋愛に限らず、友達の誕生日とか、演出をするのは好きなので色々やったりします。人の喜ぶ顔を見るのが好きです。

―伊万里さんはクールなイメージですが、とても面白い方だそうですね。

僕自身がサプライズみたいな感じです(笑)。

―プロデューサーのUTA さんとSUNNY BOYさんは、これまで多くのヒット曲を手掛けていらっしゃいますが、彼らの仕事に対する向き合い方や、アーティスト性においてなどで学んだ大事なことはありますか?

学ぶことしかなかったですね。二人とは前回の「My Name Is…」の時からの付き合いですが、一緒に仕事できるとは思ってもなかったので、最初に会った時は緊張しました。でもすごく気さくな心の広い方で、音楽だけでなく、自分のプライベートや人生についても色々話せました。彼らを見ていて感じたのが、仕事を仕事として捉えてないというか、普通に生活するのと同じような感じで仕事をしてるんだなって、本当に好きでやってるのがよくわかる。それまで僕は仕事を“しないといけない”って思っていたんですけど、二人に会ってからは身構えず楽しんでやろうって思うようになりました。音楽性においては、リズムとか息づかいとかを教えてくれて、僕に合うスタイルを引き出してくれたと思います。

―前作の時と比べてご自身の中で成長は感じましたか?

すごく感じてます。前までは僕の曲を聴いてくれる人がいるのかとか、不安な気持ちの方が大きかったんですけど、今回はそういうのが全くなくなって、自分が好きでアウトプットしたものをキャッチしてくれる人はいると思えるようになりました。そうやって自信がついてからは、他の仕事も上手くいくようになったし、今回レコーディングをした時も、スッと自分の中に入ってくるものがあって、インプットしてからアウトプットするまでの時間がすごく早くなったと思います。

―普段はどんな音楽を聴くことが多いんですか?最近のお気に入りのアーティストや曲などは?

音楽は大体Spotifyでシャッフルしながら聴くことが多いです。K-PopからJ-Pop、洋楽など色々ですね。ロック系以外は結構何でも聴きます。改めてプレイリストを見てみると、アジア系の方の曲をよく聴くようになったなって思いますね。

―それは勉強のために?

それもあります。同じアジア人なのに、韓国人はここまで世界発信できていて、日本人ができないのはなんでだろうとか考えることがありますね。まあ韓国は最初から世界を意識して曲を作っているし、国が出資してるからっていうのはあると思いますけど、日本にもいい曲がいっぱいあるのになんでだろうって思います。あと、最近仕事を一緒にするようになった台湾人の子に色々教えてもらって、中国人の曲も聴くようになりました。結構いいんですよ。

―特に好きなアーティストがいて、その人を聴くわけではないんですね。

僕は感覚派なので、リズム感がいいのとか、心地いいのが好きで、誰かに固執することは全くないです。でも、Jay Parkとか、日本人だとRIRIちゃんの曲とかは好きですね。いろんなジャンルの曲を聴くようになって、自分の好きなものと嫌いものがはっきりわかるようになりました。好きなものはたくさんあって、挙げたらきりがないけど、基本的に好きなのはR&B系が多いです。

―先ほどロックはあまり聴かないとおっしゃっていましたが、小3の頃からパンクを聴いていたという話を聞いたのですが。

昔はガンガン聴いてたんですよ。姉と兄の影響で、セックス・ピストルズとかランシドとか聴いてましたね。耳に安全ピンを指したり、簡易的ですけど髪の毛を青に染めたりして、小学校の頃が一番トガってました。先生にはめっちゃ怒られましたけど、当時は怒られるのがカッコいいって思っていて。両親もすごい厳しかったので、それに反抗してたところもあると思います。人間って「真面目な道を行け」って言われると反抗したくなるじゃないですか。

―激しい小学生時代を過ごされたんですね。

でも小5の頃にモーニング娘。をちょっと好きになった時期もありました。姉兄にバレたくないからこっそり夜中に起きて、モーニング娘。の番組を観たりして(笑)。ライブを観に行く友達がいて、興味ないふりして行こうと思ったけど、前日に熱を出して行けなかった。その時にもしライブを観ていたら、僕の世界観は変わっていたかもしれないですね。でも、アイドルってすごいなって思うんですよね。

―どういうところをですか?

一番遊びたい思春期に、自由や表現方法を大人たちに拘束されてると思うんですけど、拘束されているからこそ、普通の学生が表現できないものを表現できてるんだろうなって。何かを失う代わりに何かを得るんでしょうね。それに拘束されてはいるけど、美化されて見えるし、素敵だなって思います。はたから見たら、人って悩んでる時が素敵じゃないですか。

―確かにそうですね。ところで、ミュージカル「刀剣乱舞」や「機動戦士ガンダム 00」など、大人気の2.5次元舞台にご出演されていますが、2.5次元という特殊な世界で、役作りにおいて気をつけてることってありますか?

それぞれの作品の原作のファンの人たちがいるので、役に対して自分のやりたいようにアプローチすることはできないんです。まずは原作のアニメやゲームの自分の役を勉強して、役に入り込みます。2次元のキャラクターを、リアルに存在する3次元の僕が演じるので、うまくいかないことが色々生じてきますけど、それが2.5次元ってことなんですよね。2.5次元ってめちゃくちゃポップなように見えるし、真似るキャラクターがあるから簡単だろうと思う人もいるんですけど、演じる側は結構シビアなところで闘っていると思います。なのでバカにされたら腹が立ちますけど、最近は世間に認められてきているように感じますね。

―役を勉強するというのは、原作のアニメを観たり、原作がゲームの場合はゲームをしたり、ファンの方達がそのキャラクターに対して持ってる想いを大切にするとかですか?

それもそうですけど、シンプルに自分も作品や役を好きになれば色々見えてくると思ってます。原作がゲームの場合は、やっぱり難しいですけどね。「刀剣乱舞」は後でアニメになって、キャラクターが少し動くようになりましたけど、最初はゲームの絵だけしかなかったんで悩みました。

―それは難しそうですね。「機動戦士ガンダム00」はどうでしたか?

ガンダムは一番悩んだ作品です。だって、ガンダムですよ(笑)。ガンダムは昔プラモデルとかを作ったことはありましたけど、内容はよくわかっていなかったので、すごく勉強しました。ミュージカルでは、実際にガンダムは出てこないので、人間ドラマの部分で魅せないといけないし、最初の方は稽古もなかなか上手くいかなかったです。熱心なファンがたくさんいるし、すごい注目されていた作品なので、初日を迎えるまでは本当に悩みましたね。でも悩んだ分、すごく良い反応をもらえました。深い作品なんで、もっと幅を広げてやってみたいと思いました。

―なるほど。ところで伊万里さんは一人旅で日本47都道府県を周ったたそうですね。一生忘れないだろう出会いや出来事、観た景色などありますか?

高2から25歳の間の9年間で、バイクや車、青春18きっぷを使って電車で各地を回ったんですが、今思うと普通の人だったらしないような行動をしたなと思います。スケボーパークで初めて会った人の家に泊めてもらったり、青森に行った時は泊まるところがないから、そこら辺にあるダンボールとかを集めて、めっちゃ雪が積もってる中、駅舎で寝たり。旅をしていて思ったのは、携帯の充電がなくなって何もすることがないと、そこにいる人たちがどういう言葉を喋るかとか、どういう行動をするかとか、よく観るようになるんですよね。そういった人間観察が面白かったです。あとは、移動中にどこかでやっていた祭りで上がった花火がものすごい綺麗だったとか、そういう景色は忘れないですね。

―他にも料理やダンス、殺陣、空手、BMXなど、いろんな特技や趣味をお持ちですが、いろんなことに挑戦するのがお好きなんですか?

挑戦しないといけないって子供の頃から教えられてきて、やりたいことはたくさんやってきました。だから、気づいたらやってるみたいな感じかもしれないです。

―これから新たに挑戦してみたいことはありますか?

新たにというか、今まで色々挑戦してきた中で上手くいかなかったのが楽器なんです。その時はギターをやってみたんですけど、細かく指を動かすのとか苦手だから全然できなくて、もういいっ!てなって(笑)。誰か一緒にやる人や教えてくれる人がいたり、やらないといけないみたいな状況だとできるんでしょうけどね。だから楽器はもう一回チャレンジしてみたいです。

―では次のアルバムの時に聴けるのを期待してますね。最後に、今後の活動について教えてください。

4月に「My Love Is…」のリリース記念イベントを福岡と東京の2箇所でやります。あとは、5月10日から紀伊国屋ホールで西田大輔さん演出の舞台「+GOLD FISH (プラスゴールドフィッシュ)」に出演するのと、6月20日から30日まで、劇団ホチキス40回公演の「ゴールデンレコード」にダブル主演で出演させていただきます。「+GOLD FISH」の方は、ベントーというすごいおとなしい役なんですけど、抑制される中で何ができるかなって思うし、ゴールデンレコードは、演出家の米山さんがギャグがすごく好きな方で、僕もそっちタイプなので、すごく楽しい作品になると思います。そして、今後は僕のファンでいてくれる方達と実際に会って触れ合う機会を今後もっと増やしていけたらいいなと思ってます。

Interview, Text & Photo: Atsuko Tanaka

伊万里有「My Love Is…」のリリース記念イベント

■4月4日(木) タワーレコード福岡パルコ店

【日時】2019年4月4日(木)19:00集合19:15スタート

【場所】タワーレコード福岡パルコ店

【イベント内容】ポスターお渡し会

■4月6日(土) お台場ヴィーナスフォート

【日時】2019年4月6日(土)第1部12:30集合13:00スタート/第2部15:30集合16:00スタート

【会場】お台場ヴィーナスフォート 2F教会広場

【イベント内容】ミニライブ+特典会(握手会、抽選で2ショット撮影会)

*イベントの参加方法については、事前に必ず伊万里有スペシャルサイトをご覧ください。